ある日とつぜん、着物に目覚めたものの──、さてどうすれば? 迷いながら訊ねながら学びながらの着物日々記録。
*** 着迷いごと ***
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そして下駄はやってきた。   その1
2008年 07月 31日 (木) 16:02 | 編集
あれは今月頭のこと。スタジオクゥのひよささんと、「着物 de ブツヨク・デエト」を
決行いたしたのは、まだ記憶に新しいところです。
その記憶もじゅうぶんにナマナマしいうちに、先日、ふたたび黒田商店さん@日本橋
三越に行ってきたのであります。
なにしろホラ、あの日、しっかりと手が握り締めていた台やら鼻緒やらを、
足に合わせていただかないとなりませんでしたもので。

今回もまた、黒田商店さんの売場前で待ち合わせた我々。
わたしが到着した折は、ちょうど空いていました。こんにちはー♪ と挨拶して、さっそく、
お預けしていた鼻緒と台とを出していただくことに。
二週間ぶりに鼻緒と台に再会して、見れば見るほど、愛しさが募ります。ああ、うれし。
自然とほころぶ口元をそのままに、ご主人がすげてくださる手元を見つめます。
いったん仮ですげていただいたものを、今度は奥様に見ていただき、
最終調整していただくのですが──、わずかな時間に、いつの間にか
黒田商店さんの売場には人が溢れておりました。
奥さまが又もや、てんてこ舞いに近い忙しさの波に呑みこまれていかれます。

これは当分、時間がかかるな。諦めて椅子に腰掛けたままのわたしの前に、
ひよささんが登場。
そして、天使のような微笑を浮かべつつ、わたしに教えてくれるのでした。
わずか二週間ほどの間に、またも新しい鼻緒が幾つか仕上がって、店頭に
並んでいることを……。
「ほら、五百さん、これ」
「う──、そ、それは」
唸る私。好みを的確に射抜いて、ひよささんの指し示す鼻緒は古い更紗を使った
一対でした。しかもしかも、どういう訳だか、その日履いていた白木の小判型下駄に
合わせると、はっとするほど引き立つ柄行なのです。
ほしい。心底、ほしい。
けどでもしかし、ちょいと今は余裕がないのであります。その上、わたしの
脳裏には、灯屋2さんで前回見かけた、愛らしい色合いの紅型夏帯が
点滅し続けていたのでした。もしも万一、決心がついてあの帯を購入したく
なった場合に備えて、余分な出費は許されませぬ。
ああでも、欲しい……。
「ひよささん。わたし、ダメみたいです。ガマンってものが利かないようで」
「だいじょうぶですよ、五百さん。わたしもおんなじです。わたしたち、
ダメな人なんです」
「そうか。そうなんですね。ダメな人、だったんですね」
力なく笑みを浮かべ、しみじみと頷き合うワタクシたち。ってをい、そこで納得して
どうする?! 
ふと見れば、ひよささんの手には、いつの間にかしっかりと鼻緒が握りしめられて
いるのです。前回、伊勢丹の売場でわたしも心惹かれた、大名行列を描いた
古裂(こぎれ)を使ったものでした。
「二週間たってもやっぱり欲しいから、本物だと思うんです」と、ひよささん。
「それはそうですよ、ぜひ手に入れるべきです(きっぱり)」と、わたし。
──やっぱり、ダメ×2コンビみたいですね。

でも、欲望に抗しつつ、誰にともなく言い訳を呟いてそのモノを手に入れるときの、
うしろめたさ10%とわくわく感20%と充足感80%といった感じの、あの得もいえず
ブレンドされて100%を超える心もちは、なんと心地よいものでありましょう。

まずは手元にやってきてくれた、夏の小判型下駄がこちら。
onyuugeta01onyuugeta02
そして、わたしはついに、更紗鼻緒については諦めることができたのでありました。
さんざ逡巡した上で、ですが。(笑)
でもって、たまに我慢が効いたりすると、それだけでものすごく立派なことを
してのけたように胸を張りたくなるのはどういうわけか。
そんな日には、やっぱり自分にご褒美をあげなくてはなりませんよね?(え)

前回、ひよささんが手に入れた「あるモノ」を下駄につけてもらって完成させたり、
大名行列の鼻緒を手に入れたり……で、たぶん2時間弱、その場にいた我々。
ある決意を胸に、黒田商店さんを後にしたのでありました。
                                          (つづく)
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美の壺、File96
2008年 07月 30日 (水) 20:58 | 編集
いまひとつ余裕がなくて、「着迷いごと」も更新できないこのところ。
さまざまな雑用も溜まっていきます。
長らく録画したままだったNHK『美の壺』を、片づけしがてら見ることにして、
なにげもなく再生を始めたのですが──。

File96、この回で取り上げられたのは弁当箱。内容もさることながら、
見れば見るほど、どんどんお腹が空いていきます。
秋田杉の曲げわっぱが、如何にしてごはんを美味しく保ってくれるか、
という説明のあたりで、立ち上がっておりました。
そうだ、弁当を作ろう!
脳と腹はかように直結しているのであります。

ごはんを炊いて、冷蔵庫にあるものをちょいと適当に詰めこんで。(笑)
うーん、弁当箱って、幸せがきゅっと詰まっている気がしてきます。
obenntou
弁当を開きつつ、『美の壺』をも一度再生。今度は落ち着いて
観られます。華美に過ぎるかと思った漆塗りの大きな弁当箱には、思いがけず
家族や仲間への思いが籠められていて。
いっぽう、対極にあるかのように実用的にして粗削りな、「船弁当」も印象的です。
すごいな、7合も入るのか──。
そんなことを呟きながら画面に見入るのでした。

むむむ、弁当箱好きの血が、ひさびさに騒ぎ出した気配です。
はてさて、ふたたびちゃんと作れるのかしらん。
アフター・スクール!
2008年 07月 22日 (火) 11:16 | 編集
一週間以上前の話ですが──、先日、目当てにしていた映画を観にいってまいりました。
内田けんじ監督・脚本作品、『アフター・スクール』。
期待以上でありましたよ。うふふふふ、思い出すとなぜだか顔が緩みます。
きもちよく騙され、頭を絞り、こうなるか、ああなるか? え、そっちだったの??
という楽しみ方ができました。
なんといっても、大泉洋・佐々蔵之介・堺雅人の主役三人はもちろんのこと、
脇役すべてに、それぞれの俳優がぴたりとハマっているのが素晴らしい。
思わずパンフレットも手に入れましたが、そこに内田監督の、これまたニヤリとなる
コメントがありました。
主役三人について、「いい人にも悪い人にも見える」。
まさにその要素が、この映画を引っ張る大きな力でもあるのです。

ラストに近い台詞で、心に響いてくるものが。
「お前がつまんないのは、お前のせいだ」。
ううううむ。唸りましたね。まさにおとなの放課後に向けたセリフだなあ……、と。
おお、書いていたら、なんだかまたもや観に行きたくなってきました。(笑)

上映後は、仕事が控えていて時間に余裕がなかったこともあり(でも、観にいって
正解でした)、映画館すぐ隣の店でかるい食事をとることに。
これがまた〝当たり〟でして──、晴れわたる空に近い場所で、心地よいランチと
なりました。選んだのは「トスカーナプロシュートとカボチャのクリームソースの
タリアッテレ」。きしめん風のパスタに濃厚なクリームソースがしっかり絡んで、かるく
炙ってある香ばしいカボチャと、塩味がきいたプロシュートとがあいまった、とても好みの
味でした。こちらの店もまた、別メニューを試しに伺いたい……。
afterschool02afterschool03
TRATTORIA Coltibuono(トラットリア コルティブォーノ)」

この日、友人は洋服、わたしは昨年も活躍してくれた、薔薇柄小千谷縮。
刺繍夏半衿+刺繍夏帯のコーディで、去年とはまた違った雰囲気で楽しんでいます。
文鳥帯留さんがチラっと写ってます↓。
afterschool01 ( 着物2年目/第31回目 )
この日の気温は33度でしたか。
暑いかと思いましたが、着物でかえって陽射しが遮られ、帯以外は風通しもよいので、
意外に快適な思いでした。昨年よりラクな気さえしてきます。面白いものですねえ。
着物でケーキ三昧。  その2
2008年 07月 18日 (金) 13:48 | 編集
しばらく間が空いてしまいました。
ちょいと出張やらなにやらで、ぱたぱたと──。今さらではありますが、
先日の「着物でケーキ三昧。」の続きです。(笑)

「イデミ・スギノ」でたっぷりとケーキとお喋りを堪能したあと、次の待ち合わせに
向かいました。待ち合わせ場所というのが、アンティークモール銀座の入口……、
そう、前日の土曜日に引き続きのこと。そして待ち合わせしたMさんとは、
「京都きもの旅」以来、一カ月ぶりの再会です!
このところのMさん、公私共に多忙の中、二時間ほどを捻出してくださっての逢瀬。
会うなりわたしが言ったことといえば、「甘いもの食べたくありませんか?」。
そうです。
ついさきほど、教えてもらったばかりの「イデミ・スギノ」に、も一度、Mさんを
お連れしようという算段でした。ちょうどお茶を飲みたかったとの言葉を受けて、
ほっほっほ、ふたたび参りましたですよ、「イデミ・スギノ」に。
すると、なんと。Mさんを迎えに行ったわずか10分足らずの合間に、ケーキは
たった二種類にまで減っていました。テイクアウトされたのでしょうか……。
Mさんはわたしも試したイタリアン風のケーキを選び、わたしはしばらく躊躇した
のですが、さすがに食べすぎかと思って三個目は控えました。

「イデミ・スギノ」でしばし寛ぎ、暑さも和らいだかという頃合。では、というので
あらためて、すぐそばのアンティークモール銀座に戻りました。
この日はMさんが、灯屋2さんで帯を見たいということだったのです。
前日に引き続き、店長Sさんが忙しそうなご様子。それでも、あらあら、と
手をとめて迎えてくださいます。
たいへん恐縮だったことに、またもあれこれと拝見したり、楽しく
盛り上がったりで時間が過ぎていき──、あっという間にお開きTimeが
迫ります。そんな中、Mさんとわたし、ふたりして心奪われた訪問着と、
見事な刺繍袋帯を見せていただきました。
訪問着は、淡やかな砂色の地。そこに浮橋の掛かった涼しげな川が流れ、その端を、
相思鼠(そうしねず)色の千鳥が飛んでいて……、まとうと背筋がすうっと
伸びるような品のよさが漂っています。
そこに刺繍帯の桔梗色がなんとも映えて、ふたりして「これで結婚式に
出たい……」「結婚式じゃなくても、ちょっとしたお出かけに」と溜息混じりに
ためつすがめつ、いたしました。けれど、差し迫っての必要がない今、
やはり心は決まりかね。
akariyasannhoumonngi お許しを得て、まとわせていただいたところ。

Sさんの「いつ着る、という予定がなくても、この一枚が箪笥にあるというだけで、
心落ち着く一枚ですよね」という言葉に、しみじみ頷きます。
……そういうやわらかものを少しずつ、箪笥にしのばせていけたらいいなあ。

二日連続で買物には至らず、客として申し訳ないことでした。けれどわたしにとっては
勝手ながら、じつに滋養とも教養ともなる時間で、いずれまた、気に入りの品を
いただきに参ろうと心に刻んだ次第です。

この日のコーディネート。暗いところで撮ってもらった一枚のみで、失礼を。
idemisugino05  (着物2年目/第30回目)
本日から
2008年 07月 12日 (土) 20:00 | 編集
灯屋2さん、セールが始まってます。──書くの忘れてました。
詳細はこちら

夏着物記事の間に、ちょいと、挟んでおきまする。

着物でケーキ三昧。  その1
2008年 07月 12日 (土) 14:07 | 編集
さてさて、たっぷり「着物 de ブツヨク・デエト」を楽しんだ翌日。
こちらは割と直前に、ふたつの予定が入りました。
仕事の関係で、直前に予定が入ったほうが、かえって人と会えるという
不思議な巡りあわせに……。

で、予定一件目。一年に一度~半年に一度、顔を合わせる友人たちと、
昼食を兼ねて二時間ほど会えることに。
行った先は、ははは、最近めっきり贔屓の「蕎麦 流石」。
日曜日の銀座で、昼・夜と開けてくれる蕎麦屋は、じつにありがたい存在です。

容赦なく照りつける陽射しのもと、四丁目あたりから歩きました。
例によって着物のわたしに、ひとりの友人から「暑くない?」という質問が。
「もちろん、暑いよ」と雄雄しくお答えします。(笑)
すると、別の友人から、嬉しいひとことが続きました。
「でも、暑そうに見えないところがすごいよねえ」
ををっ、ホントに? それは夏着物を着る者への最高級の賛辞ですぜ!
と、内心大喜びしつつ、しかし涼やかに見せねばならないので
飛び跳ねたりはせず( 当たり前 )、ぶじ、「流石」に辿りつきました。

それぞれ好きなものを注文して、4人好き勝手に喋りはじめます。
毎度、そのメンバーと会うと感じるのですが、それぞれまったくの異業種、
かつ性格や志向も異なるので、会うたび、脳の中のいつもと違う
場所が活発に動きはじめるのですよ。
そのくせ、ずいぶん間を空けて会っても、違和感がない。
あれはどういう仕組みなんでしょう?? 
本のこと、映画のこと。仕事の話は今回はあまり出なかった気が
するけれど、なにかにと途切れることなく話が続いて、蕎麦にも
舌鼓を打ちつつ、一時間ほどがあっという間に過ぎ去りました。
「デザートは場所を変えようか」という話になったとき、ひとりが「そういえば」
と言い出しました。
「たしかこの近くに、不思議なケーキ屋さんがあるんだけど、知ってる?」
「不思議な……って、どんな風に」
「お店とは思えないようなところにね、高級車が停まったりして、綺麗な
お姉さんやスーツのおじさまが出入りしたりするの」
「……?!」
「有名なお店らしくてね、たしか午前中で売り切れちゃうって話だよ」
「そ、そうなの?」
「うん。作ってる人がこだわりを持ってて、デパートとかよそでの販売は一切ナシで、
そのお店だけで作って売ってるの」
「へえええ」
おいしいものに目がないわたしですが、友人が縷々説明してくれるケーキ店は
思い当たりませぬ。ぜひそこに連れて行って! と「蕎麦 流石」を後にしました。

「場所がねえ、〝だいたいこのへん〟って感じなんだけど」
すこし頼りなさげな彼女の様子に、思いがけず別の友人が助け舟を出してくれました。
「ちょっと待って。それってもしかして、NHKの〝プロフェッショナル〟に登場した人の店?」
「ああ、そうそう」
「なら、わかる。たぶん、そこの通りだよ」
というので、頼もしくも二名の案内人のもと、わたしたちはその〝午前中にはすべての
ケーキが売切れてしまう〟と噂の有名店に辿りつきました。

その名は『イデミ・スギノ』。
神戸は北野で人気を集めた、パティシエ・杉野英実さんが、1年の休業を経て
開いたお店ですとか。この場所に開店して、もう6年になるといいます。
わたしはちっとも知らなかったのですが(うう、これまでもったいないことをした!)、
ひじょーに有名なお店なのでありました。
(それは後日、近場にいたので前を通ってみた時にもわかりました。
平日昼間にも関わらず、店内にぎっっしり、人が入ってました。ふひょー)

職人としてのこだわりから、店の二階にアトリエを持ち、そこで作った菓子を
そのまま一階で販売。また、どうしてもすぐに食べて欲しい、あるいは
繊細な細工が持ち歩きに向かない種類のケーキについては、〝イート・イン専用〟
となっています。
そして、この日。ふだんなら開店前から列ができ、昼前には完売御礼だという
ケーキが、まだかなりの種類、残っていたのです!
目が爛々と輝き出すのが、じぶんでもはっきりわかりました。着物姿で
食いつくようにケーキディスプレイに見入る女。
友だちが迷う中、直感にて、「これとそれ」に決めました。……ええ、2つ
選びましたが、なにか? ちなみに、あまりにも食いつきすぎて、ケーキの
名前を控えることすら忘れました。(汗) 

幸いイート・インも空いていて、奥の四人席にすんなり座れました。
(これも少し時間がたつにつれ、次々と埋まっていきました。たまたま時間が
よかったようで、ついていました)
事前になんの予備知識もなかったぶん、素直に味を楽しむワタクシ。
気に入ったのは、オリーブオイルを使ったケーキ。
まるでイタリアンのような味わい、そのくせメレンゲがあしらわれていて、
食感と味わいの共鳴がなんとも不思議な美味しさでした。紅茶のカップも愛らしかった。

ケーキが二つ載った皿を前にしてから、思い出しました。
「……たしか、ダイエット中だったような気がする」。
まあでもほら、夏の着物は体力も使いますし! 食べなくては~。

味わいながらも、話はじつにぽんぽんと飛び回り、お茶の時間もあっという間に
過ぎ去りました。次の約束があるので、小一時間でお開き。
やー、ほんと、ありがとう! な「流石」~「イデミ・スギノ」な二時間でありましたよ。

                                    (つづく)
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■イデミ・スギノ 
 東京都中央区京橋3-6-17 京橋大栄ビル 1F
 03-3538-6780
 10:00~19:00  月休
夏着物、初日。  その3
2008年 07月 09日 (水) 21:54 | 編集
「灯屋2」では、店長Sさんに久しぶりにお目にかかりました。
ひよささんと3人で、ここでも着物話というより四方山話ですっかり
時間をいただいて、さらには「ちょうど入ったばかりなんですよ」なる、それは
独特な野菜柄帯、それも丸帯を解いて2本に仕立て直したものを見せていただきました。
野菜柄をタネに、「お肉食べたいですねー」なぞとしょむないことを話すとちゅうで、Sさんの
お腹がさりげなく鳴ったりして、大笑いでした。
はっと気づくと、閉店の音楽が流れているではありませぬか。
うわー。めっきりお仕事のお邪魔をしてしまいました。も、申し訳なし。

Sさんが見送ってくださった入口のところで、「花邑」の看板娘さんとばったり! 
「おひさしぶりですー」となにやら黄色い声で挨拶を交わしつつエレベーターへ。
花邑さんには、時折ふらっと顔を出させていただくものの、最近は
予算がなくて( 京都旅行で使い果たしました…… )、めっきりご無沙汰だったのです。
とはいえ、買物をせずとも「お元気ですか?」なぞと立ち寄ったりしていたあたりが、
ははは、図々しいのですけれども。

アンティークモール出口のところで看板娘さんとお別れし、さて、ひよささんと
顔見合わせて確認したこと。
「やっぱり、『つばめグリル』ですかね?」
「いいですねえ」
先ほどの野菜柄の帯が頭にあって、久々に『つばめグリル』本店の、あの
ちょっとわさわさした古びた店内にて、ハンブルグステーキを食したかったのです。
が!
「ひひ、ひよささんっ。ビルがないぃ」
「ええっ?!」
アンティークモールから程近い、中央通沿いの『つばめグリル』は跡形もないのです。
わ、わたしが小学生の頃からあった、あの『つばめグリル』が──!!!
かなりの衝撃でした。なにしろ、筋向いの『明治屋』まで姿を消しているのです。
わたしの知っていた銀座一丁目が、二丁目が……。かつて在った『テアトル東京』という
巨大な映画館がなくなったときにも似た衝撃でした。
(ちなみに、『つばめグリル』のほうは、建て替えと判明。真新しい姿になって
お目見えするようです)

話がごっつ逸れてますね。失礼。空腹の上に手痛い衝撃を受け、なかばよろよろと
しながらも、もう一軒、心当てにしていたお店に行くことにいたしました。
蕎麦店『茶子溜り』。こちらはなんと、明日の10日で店じまいしてしまうとか。
たしか昨年九月にオープンしたばかりだったのに……、いやはや。ちなみにこの店舗は
半蔵門or六本木界隈に移転を計画中でおられるとか。
地下に広がる店内に、先客はわずかに数人。お好きなところを、と薦められて、
誰もいない小上がり風の座敷を選びました。
chasidamari 箱膳の並んだ空間。

さて、のんびりと乾杯して、話に熱中しながら箸を進めておりますうちに、店内には
わたしたち二人だけとなりました。いくら土曜日とはいえ、こんなに入らなくて
大丈夫なんでしょうかね? とひそひそ心配するうちに、ひょんなことから真相が判明しました。
わたしが蕎麦を注文したときのこと。
「もう釜の火を落としちゃったんで、ちょっとお時間いただけますか?」
へ?? たしかサイトにも、営業時間は23:00までと書いてあったような──。
「週末の銀座は人があっという間に引けますんでねえ、20:30までにしたんですよ」。
表の看板はとっくに引っ込めて、灯も落としたとのこと。
そ、それは大変。場所替えせねばと慌てたのですが、せっかくだからゆっくり
召し上がってくださいと快いお薦め。
いいんですねと念押しして、それならせっかくです。思いがけず貸切となった店内で
にこにこ話を弾ませました。どの品も程よい味つけ、お腹のほうも幸せです。
chasidamari2chasidamari3chasidamari4
〆は山芋やめかぶ、納豆などでとろとろといただく「美箱膳蕎麦(冷)」。
デザートまでしっかといただいたのでありました。
あー。半日があっという間でありましたよ。休日らしい休日でした。そしてこの日が、
タイトルどおり、夏着物の初日でした。
アンティーク着物の着こなしがなんとも素敵なひよささんとのデエトなので、
少しだけアンティークっぽい薔薇柄の麻着物+刺繍帯+文鳥帯留を選びました。
obichottomagarunatukimonoshonichi(着物2年目/第29回目)
そして、会うなり嘆声を上げてしまったひよささんのコーディネートは──!
hiyosasannnonatukimonohiyosasannnatukimono2 ふるいつきたくなるような。
やー。楽しい上に、ワタクシは目の保養までさせていただいちゃって、
なんともありがたいことでした。なにしろ根を詰めた日が続きましたゆえ、表に出て着物話なぞ
いたしますと、じつに晴れ晴れいたします。
また遊びましょー! その日を励みに、黙々とマジメに仕事するのでありまする。

あ。ただし、この日の翌6日も、日曜日ですゆえ、ちょいと遊びに出たのです。
それはまた、明日にでも……。
夏着物、初日。  その2
2008年 07月 08日 (火) 21:31 | 編集
銀座で向かった、その先は。『アンティークモール銀座』でござりました。
ちょいとね、ひよささんが「Wing 田中翼」さんに用がおありだったのです。

けれど、まずは一階の「かわの屋」さんにて、なにかにと夏帯を見せていただきます。
大津絵を思わせる、愛らしい手描きの麻帯になんとも心惹かれました。他にも刺繍帯を
拝見したりと、いやはや、目の保養でありました。
ありがとうございます&恐縮です。(今はとてもじゃないけど買えません……)

ここでいったん、休憩して喉を潤すことに。地下一階の「カフェ・アルノー」へ向かいます。
向かいつつ、どうやら小腹が空いてきたらしいと実感。
ひよささんもわたくしも、いきなりストンと空腹に陥る上に、その状態では
人間として真っ当な対応ができなくなる体質の持ち主。
ここは用心して、お腹になにか入れないと……。

というので、へへへ、飲み物は、先日ワタクシが飲んでお薦めの「桃ジュース」、
食べ物は、和風トーストのセットをいただくことに。
(この日は第一土曜日。なので、清水茶寮さんのメニュウが出ていました)

夜ごはんを考慮して、和風トースト一人前をふたりで分けようと考えていたら、
察しのよいアルノーの店主さんがさっそく確認してくださり、4つに切って
出してくださったのです。
おまけに清水茶寮のSさんが、湯呑み茶碗まで二つ用意してくださって──、
なんとお礼を申せばよろしいやら。
ありがたくしみじみと頂戴するわたしたち。紫蘇が混ぜられた味噌をのせて
香ばしく焼き上げられたトーストを、美味しくいただいたことでした。ご馳走さまです!
kafearunomisotoast
あっという間に飲み干した桃ジュースも氷なしの絞りたて。自然の味が舌に優しく
染み入りました。寛げるひととき……。そして、例によってとまらないお喋り。(笑)
なにやかやと話している途中で、はっと気づいて時間を確認します。
だ、だいじょうぶ、大丈夫。でもそろそろ、二階に参りましょうか。

「Wing 田中翼」さんの店長は、スタジオクゥのお二人が、偶然にも京都で
出会ったというKさん。ひよささんと旧交を温めあう様子を楽しく見守りつつ、
しかしワタシの視線は油断なく店内をウロつきます。
すると、いつものようにお店に立っておられた店主の田中翼さんに、帯を
褒められつつ直していただくことに。
「お。いい帯してるじゃないの。せっかくいい帯なんだから、もっとほら、ちゃんと
締めて」
「わははは、はい、ありがとうございますー」
褒められたのは、灯屋2さんで入荷したその日に出会ったルリカケス(推定)の
刺繍帯です。かなり短いので、銀座結びにするとちょいと角が出なかったり
するのですね。しかも、写真を見たら曲がってました。(汗)↓
obichottomagaru ありゃりゃ。

そしてなぜだか、いらしていた常連のお客様も一緒に記念撮影(?!)、という
なにがなにやらの事態になりましたが、楽しいひとときをご一緒させて
もらいました。にゃふ。
さて、ここまで来たなら顔を出さないわけには参りませぬ。続けて、愛しの「灯屋2」さんに
「こんにちはー♪」と足を踏み入れたのでした。
                                       (つづく)
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