ある日とつぜん、着物に目覚めたものの──、さてどうすれば? 迷いながら訊ねながら学びながらの着物日々記録。
*** 着迷いごと ***
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心にご馳走!
2009年 03月 31日 (火) 11:14 | 編集
3月の着物で外出、後半は「心にご馳走」週間となりました。
まずは彩の国さいたま芸術劇場へ、「ムサシ」を観に。
もともと蜷川さん演出の芝居はちょくちょく観に行っていますが、
これは正直、配役を知った段階で必ず行くつもりでした。(笑)

主演:藤原竜也・小栗旬
共演:鈴木杏・辻萬長・吉田鋼太郎・白石加代子ほか

脚本も井上ひさしさんですから、こんな贅沢、二度とはあるまいと
思いまして……。
Kと待ち合わせして、しっかり食事してから向かいます。3時間半の
長丁場、こちらもがっぷり四つで観られるよう、万全の準備を整えねば。
なにしろ席は前から3列目、ど真ん中なのです。(抽選運に感謝!)
着いてみれば、周囲も、劇場全体の雰囲気も、いつもの観劇とは異なる雰囲気。
あきらかに芝居は初めて、な感じの若いひとたち、それも女性が圧倒的に
多いようです。さあて、どんな風になりますか。
期待に泡立つ思いを楽しみつつ、幕開きを待ちました。

さて、3時間半。
いやいやいや、主役、がんばりました。脇のうまさに唸りました。
脚本のほどよい匙加減を楽しみました。演出、笑えました。
かろやかさと老練さが小気味よく混じりあい、飲み心地のよい酒と
なって喉もとを滑り落ちていきました。
井上さんの脚本(ホン)の味、ひさびさだったなあ……。

そして、辻・吉田・白石、ベテラン三俳優のみごとな腰の据わりっぷり。
楽しんで演じつつ、しかし巧く、さりとて出すぎず。
この三人に、中堅俳優の大石継太が絡み、そこに安心して若い三人が
それぞれの100%をぶつけて生れる空間に、すっぽりとはまって楽しめました。
いやいやいや、ごちそうさまです!
で、この日は最近おなじみの、結城紬に江戸古裂帯、母上にいただいた
道中着も羽織ってぽくぽく歩いてまいりました。
15030901 (15回目)
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続く翌日、こんどはミュージカルソウを聴きにシビックホールへ。
ミュージカル・ソウとはなんぞや? といえば、歌うのこぎり、もとい
音楽を奏でるのこぎりのことであり、奏者はサキタハヂメ氏であります。

こちらは2007年のトップランナーを観て、こんな不思議な音楽があったのか!
と衝撃を受けたのがきっかけ。今回のコンサートをたまたま知って、
マトリョミン仲間になにげなく伝えたところ、居合わせた全員が「行く!」と
即答。さっそくチケットを手配して、打ち揃って聴いてきました。
サキタさんがネットインタビューで言っていたとおり、「オトナもコドモも
楽しめるコンサート」でありながら、いやしかし、ノコギリの奏でる音は
ときに天から降る星のかけらとなり、ときに噴き上げる水のきらめくしぶきと
なり、ひそやかに心の襞に吸いついて、いつまでも震わせるのでした。

大阪では、先にお笑い芸として愛されているとサキタ氏も語って
おられましたが、幸い(?)わたしの入口はそちらではなかったもので、
音楽として堪能しました。
以前、マトリョミンの師匠・濱田佳奈子氏に言われたのですが、
「テルミンやマトリョミンの音が好きな人は、ミュージカルソウも好き
な方が多いんですよねえ」。
はっきりした音階の区切りがない、という共通点が……。(笑)

そのこともあってか、演奏された曲目は、テルミンやマトリョミンで
よく演奏されるものが多く見られました。
早春賦、蘇州夜曲、オペラ「魔笛」から夜の女王のアリア、あるいは
グノーのアヴェマリア、などなど。
かろやかなトークに笑い、演奏の美しさに聴き惚れながら、休憩なしの
2時間は「気がつくと過ぎていた」感じ。いやいや、やはり百聞は一見に
しかずだなあ、なぞと思いながら、終演後は例によって、飲み会。
今回行った四人のうち、三人が試験結果待ち。「27日までに届くって
行ってたけど、今日(25日)もまだだねえ」なんて、ちょっぴり心配しつつ、
いつものようにわいわい飲んで解散しました。
(ちなみにぶじ、全員合格でした>こちら

雨もようだったので、またも大島。もちろん、ちゃんと雨コートを着ています。
ただ、母に「着物は絹だから擦り切れるのよ! たてつづけに着ないように」と
注意されたような記憶が……。(汗) 
200309 (16回目)
そうそう、写真は前と同じのを使っていますが、この日は帯留を
替えてました。「眠り兎」はまずかろうと、耳をぴんとたてた兎にチェンジ。
まじないどおり、眠らずしっかり、聴けました。(笑)

ところで、サキタハヂメ氏の演奏会前に、以前バイトしていた職場の
Aちゃんと、2年ぶりに再会。近況を聞いたり話したり、の折、
着付け師範の資格も持つ彼女に「さすがに着慣れたねえ。うん、
前に会ったときよりずっといいよ」と褒めてもらえました。あの頃は
まさに、とにかく慣れろ、着てしまえ、の頃でしたからねえ。
けど、その頃を経ての今ですし、さらに味わいを深められればと願っています。

ああ、今月分が書き終わりませなんだ。できたら明日、3月の続きを
あげておきます……。
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〝もの〟の持つ力。   その2
2009年 03月 30日 (月) 13:57 | 編集
3年目/10&11回目に続いて、12回目はひとり、用賀~二子玉川へ。
個展期間を終えた秋葉絢さんの作品を受け取りに、ギャラリーにお邪魔
したのでした。再会すると、ひときわ可愛く感じます。(笑)
1703090117030902
思いがけず、ギャラリーのSさんとゆっくりお話できて、楽しい
ひとときをいただきました。
ある作品が、不思議なご縁で通りかかったお客さまのもとへと
行くことになった話には、こちらの胸も静かに温まりました。
笑顔のもとで大切にされる器は、幸せだと思います。

この日は、旧岩崎邸庭園に行った日とおなじ組み合わせ。
あ、半衿だけちがう。結城のときに付け替えた古裂のままでした。
17030903 

さらに週末、実家に着物で一泊しました。着て行ったのは、母にもらった大島です。
──そういえばこの大島は、反物自体がいただきものだそうで。
それこそ35年ほど前に、父方の親戚がわが家に一週間ほど、
泊まっていたことがありました。若いお嬢さんで、大学受験で来ていたのです。
いくつか受験する大学へ、母が一緒に行き、迎え、もちろん食事を作り体調を
気遣い……、と心配りしていたのを、子ども心にも覚えておりましたが、
そのお礼として、当時お嬢さんと同居していた父の大叔母から、この反物が
送られてきたそうな。35年を経て、ありがたくまとっています。
200309 
小さい頃に一度会ったきりの大叔母の、顔も覚えてはいないのですけれど……。
(たしか着物姿にダミ声で、しきりにタバコを吸っていたような気がします)

ごく小さなことではありますが、反物一本にも「訳」があったりするのだなあ、
とあらためて感心したことでした。しかし、着るほうはあいかわらず、
ダメ出しをもらいっぱなし。
「半衿は1.5cm!」と、母。「そんなに出して、品のない」。
でももう、娘は後戻りできません。
す、好きなように着させてくださいまし。と、胸のうちで呟いた、3年目/
13&14回目の春でした。

3月はまだまだ、まとう機会が多かったため、できれば明日にも
書き足して、なんとか今月のうちに記事アップしたいと思います。
〝もの〟の持つ力。  その1
2009年 03月 30日 (月) 11:41 | 編集
ちょっとした時間でも、着る機会があればできるだけ着物で出ます。
というわけで、某着物ショップの店長Kさんとのランチデートも、着物にて。
1303090113030902
なにやら得意げにデザートを見せ合う我々。ちょいと企画があって
会っていたのですが、いずれまたブログで報告できるかと……。
日本離れした雰囲気のこの場所、過門香銀座店です。
着物で立ち寄ると、飲みもの一杯サービスなのが嬉しい。
この日は、8回目と同じく、結城紬に江戸裂の帯です。ランチ後、灯屋2銀座店にも
立ち寄って、熱烈愛用っぷりをアピールしたのでした。(笑)

つづいて翌々日には、mimitara2さんと「三井家のおひなさま」展へ。
この日も上記とおなじ組み合わせながら、半衿と帯締めだけ、より春らしい雰囲気
のものに替えてみました。柄のハギレに丸ぐけです。
15030901 あっ、写真を忘れましたが、手にしているのは
例の「葛篭」から出した、早春向けの道中着です。相方母上に感謝。
mimitara2さん、わたしの大好きな羽織姿で。結城縮にサリーの帯が
よくお似合いです。
15030902

さて、「おひなさま」展。
三井家に代々伝えられた、ひな人形や飾り、あるいは着物などをゆったりと
観て回ります。人形たちのそれぞれの表情、衣裳に心惹かれ、足をとめ。
ときに溜息をつきながら観て行って、さて、いちばん長く足をとめた場所は、
ごく小さなスペースで、それも入れ替え展示制になっている版画の前なのでした。
「三井好 都のにしき」。
このタイトルと、数枚の絵とを初めに目にしたのは、じつは一葉記念館で
購入した書籍「一葉のきもの」(近藤富枝・森まゆみ共著/河出書房新社)
の中で、でした。
明治時代の季節感に満ちた着物生活を、繊細な筆遣いと、やわらかでありながら
心に残る色づかいとで、活き活きと描いてみせた版画から、しばらく目が離せませんでした。
絵の説明には、たとえば『「三井好、都のにしき」より「土用干」』とだけあり、
ごく短い説明書きの後に「東京都立中央図書館東京誌料文庫所蔵」と記されて
いました。いっそ図書館に問合せしようかと迷うほど、好みの線に色づかい……、
とはいえ恥ずかしながら不勉強にて、はじめは「みついこのむ、という人が
描いたのだろうか?」と思っていました。

今回の展示ではじめて、これは「みついごのみ」と読むのであり、三井呉服店
(三越呉服店の前身)の新作カタログをかねた、ファッション誌的役割を担った
十二枚揃えの版画であったと知ったのでした。

作者・水野年方は、浮世絵師の月岡芳年に師事したと聞いて、さもあらんと
腑に落ちました。それにしても、なんとも心に残る色、筆、そして目を奪われる
コーディネートのつややかさ──。
実際の版画には、簡潔な英字の説明も入っていて、それも合わせて
グラフィックデザインのように完成されていました。
帰りがけ、ミュージアムショップで版画だけを集めた冊子はないかと思わず
聞いてしまいました。あいにく、そうしたものはなく。印刷でまったく雰囲気は
違ってしまっているのが残念ではありましたが、自分用の目録がわりにと、
絵葉書を購入しました。ああ……、版画集にしてはくださらないだろうか。

といったことなどをmimitara2さんと語り合いつつ、早めのランチをとり、
愛するウエスト三越店でお茶までして(もちろんモザイクケーキはいただき
ましたとも!)、解散。この日は、夜にちょっとした試験を受ける予定も
あり、戻ると急ぎ着替えて相方の食事の準備を整えるやふたたび外出──、
と、なにやら慌しい一日になったのでした。
                                  (つづく)
笑いと汗とナミダの大作。
2009年 03月 28日 (土) 21:16 | 編集
三年近く続けた和裁から、しばらく離れることに。
最後の最後に、どうした弾みか、大作・「足枕」に挑む成り行きと
なりました。和裁。なのに、アシマクラ。
綿入れの練習もかねて、座布団を作る生徒さんも多かったのではと
思うのですが、それを見かけたわたしは足枕を作りたくなったのでした。
なぜって、しょっちゅう布団に潜りこんでくる猫たちのために、いつも
膝をたてて眠りにつくもので。
高い足枕があれば、その枕と脚との隙間に、猫たちが寝てくれる
のではないかと思ったのです。
生地は、以前半幅を作れるのでは、と入手しておいたインドネシアの
織地。たっぷり二尺をとって、さあ、縫います。
……縫います。縫います。……もめん綿、入れます。4玉入りました。
閉じ……、られません! しつけします。縫います。ズレてます。
ほどきます。また、しつけします。縫います。縫います。縫い……
「お茶、入ったよー」
先生の朗らかな声に、いったん中断。平日の4時間コースなので、
たいてい間に休憩が入るのでした。(実際、集中力は2時間程度が限界かと)
この日はラストということもあって、プチフールを差し入れ。他の
みなさまも、それぞれにお茶菓子を持ち寄ってくださった結果、まるで
パーティーのような状態に!
260309001 うおー。

右手にオレンジタルト、左手に松蔵のポテトケーキ。がっつりと糖分補給した
結果、ふたたび闘志が戻ってきました。
が、まさかこの後、文字通り〝血〟を見ることになろうとは。

なんとか形になった足枕、最後に中央あたりを二箇所、房で
閉じるのですが。
これが思いのほかの力仕事。先生に「こうやるんだよ」の見本を
しっかり見せていただいたものの、そもそも「ふとん針」(で合っている
のかしらん、太くて長い針)を分厚い綿に突き抜けさせて、裏から
表に通すという、それだけのことがまっっったく、出来ない。
汗をかき、顔を紅くし、顔が紅いと笑われて釣られ笑いで脱力し、
ふたたび挑戦。指が滑ると、ゴム手袋まで借りているのにどうにも
通らない、と足掻くうちに、あらかじめ注意されていたにもかかわらず、
ぷつっと小気味よい音をたてて、太い針が指に刺さるのでありました。
い……、痛い、です。血も、出ます。
携帯しているバンドエイド(@ジョンソン&ジョンソン)をひとさし指に
巻き、またも刺して親指に巻き。見かねてとうとう、通すところは
かおる先生がほとんど代わってくださいました。ありがとうございます、
そして申し訳ありません!
ラストまで不肖の教え子だよ……。しかしとにかく、完成です。
260309002 どおん。
260309003260309004
 ピートと並べて。この厚みに負けました……。

大作、ですな。よかったよかった。
機会あらば、またいろいろと挑戦したいと願いつつ、
まずはアシマクラにて、いったん、教室とお別れであります。
基本も教わりつつ好きなものに挑戦させてもらいました。
そのうえ和やかな雰囲気のクラスで──、お名残惜しい。
(と言いつつ、ひょっと顔を見せた折には、よろしくお願い
いたします~(笑))

いただいた印象深い茶菓子なぞ載せてみたり。
260309005 お味、本格的でした。
冬季限定販売らしい、ピンクのぶたまん。なにか哀愁漂う表情。
うれしい「葛篭」と、着物deお出かけ  その2
2009年 03月 26日 (木) 02:42 | 編集
渡り廊下でつながる和館は、大工棟梁・大河喜十郎氏の設計と伝わって
います。こちらは、岩崎一家の生活の場。西洋館から移動してみると、
室内温度がわずかに下がる感覚があり、造りの違いを体感できます。
とちゅう、板戸にフクロウの絵が。
100309009100309010 お抹茶セットをいただきました。
一服して落ち着いたのち、こんどは和館の縁側から表に出ます。
(履物は各自、手渡された袋に入れて持ち歩いていました)
100309013 和館裏手
今であってもじゅうぶん広いと思えるのですが、じつは往時は建坪550坪も
あったのだと聞いて驚きました。
およそ1,820㎡──、とっさには比較対象が浮かびませんが、ちょっとした
ホールほどの広さは裕にありそうな。
ほとんどマンション暮らしの身からすると、広々した生活空間で育った人間は
心もちもまた、広くなりそうな気がしますが、どうなのでしょう。
たとえば厳しいお祖父さま(「小公子」のように)や、厳格で愛のない
お祖母さま(「丘の家のジェーン」みたいに)がいたりすると、たとえ空間が
広くても萎縮してしまうのだろうか……、と脱線していったりして。

陽射しの中、撞球室めざしてゆるりと歩きます。
10030923100309012
                      「残念、中には入れないんだねえ」

さて、旧岩崎邸庭園を堪能したあとは、不忍池を渡って、韻松亭
めざします。じつは、何度も上野公園に来たことはありながら、
弁天島に行ったことのなかったワタクシ。これもひとつの楽しみだったのです、が。
なぜか勝手に「池を渡る細い道」をイメージしてしまっていたので、想像以上に
広々した道に、おやおや、な思い。
とはいえ、弁天堂もはじめて間近で観られてなによりでした。
いまはススキが我が物顔に丈を伸ばす池を見ながら、うろねさんが
「蓮の花の盛りは見ごろですよ」と教えてくれます。そういえば、見たことが
ことがありません。来なくては~!
とちゅう、思いがけず一本だけ、花を咲かせはじめた桜の樹が。鳥たちが
蜜を吸いにきているのか、何羽も羽ばたいています。
100309014
韻松亭、昼をずらして行ったせいか、3人、そのまま通されました。
しかもこれまで入ったことのない個室です。
案内として先に立った女性が、とつぜん腰を落として「こちらです」と
口にしたときは驚きました。壁かと思ったところに小さな襖があって、
にじり口になっているではありませんか。
最初に思ったこと。「……どうやって入ればいいのでせふか??」
以前、「キモノは別腹」でひよささんが書いておられた記事と写真を
思い浮かべながら、にじにじと入りました。
(──出るのもむずかしうございました)
裏庭に面した個室は、ちょうど窓が開け放たれて、なんとも心地よいのです。
100309018100309015100309017
注文したお酒と茶壺弁当を前に話も弾み、散歩中の猫がちらりと
顔を見せたり、と楽しめました。しばらくしてうろねさんが「うさぎ」と
ひとこと。すわ、野兎まで顔を出したかと思いきや──
100309016 石のうさぎが、きょとんと座っていました。

それぞれにデザートもいただいて、ゆるりと心ほどけた時間が過ぎていきます。
表に出たのは夕暮れもまだ下りてこない時分でしたが、おふたりと東京での
お別れを。また、遊びに行ったり来たり、できますようにと願いつつ。

この日のmi さん、以前差し上げた椿の織帯を巻いてきてくださいました。
なまず柄の帯留がなんともキュート。私はと言えば、先日の mi さんとの
デエトとおなじ着物、帯、半衿。帯留のみ、桜モチーフのものにしています。
1003091910030920
髪には、うろねさんが仕上げてくださった銀の簪。ほっそり、短めに直して
いただいたのですが、その一本で髪をまとめてくれます。
10030921
嬉しかったのが、素敵ないただきものをしたこと。マトリョーシカ好きをご存知の
おふたりから、マトリョーシカ型のキーホルダーを。(笑)
10030922 ありがとうございます、大切にします。
(着物3年目/第9回目)
うれしい「葛篭」と、着物deお出かけ。 その1
2009年 03月 25日 (水) 09:36 | 編集
さて、3月もこまめに着物に袖を通します。
編集者Mさんとお目にかかった折は、雨の天気予報にもめげずに
紬+江戸裂の帯。というのも、じつは。ちょうどこの日の前日に、
おおきなダンボール箱が届いたのでした。
箱というよりまさに「大きな葛篭」と呼びたいその荷物の送り主は、
相方の母上──。
わたしが着物を着るという事実に、母上が驚愕したことは、以前
書いたとおりですが。
「だったら着なくなったものがいろいろあるから」と、まず第一弾(!)
として、上衣ものやウール着物が詰まった箱を届けてくださったのです。
こらえきれずにさっそくこの日、雨コートをまとってみたのでした。
江戸裂の帯は、灯屋2さんで集められた古裂を丹念に縫い合わせて
作られたもの。この日がデビュウとなりました。
009030901009030902009030903
古裂なので、できるだけ傷めないよう、丸ぐけを合わせたかったのですが、
あいにくちょうどよい色がなく。とりあえず、眠り兎の帯留と三分紐で
締めてみました。着物3年目/第8回目ですね。

Mさんとは、以前「アラスカ」なる氷の山を一緒にいただいた仲ですが(笑)、
今回は千疋屋総本店にてフルーツサンドをシェア&ストロベリーパフェまでも。
よく食べよく喋り、贅沢な時間を味わいました。目にも舌にも心にも、
美味しさしみこむ時間だったなあ……。(思い出し涎)
***************************
さらに、また別の日。こんどは「葛篭」の中から、交織ウールの
道中着を選び出して羽織りました。
今月、東海地方へと越して行く、うろねさん&mさんと、東京での
記念お出かけでした。
まずは上野公園・不忍池のすぐ近くにある、旧岩崎邸庭園へ。
三菱財閥の三代目当主、岩崎久弥氏の本邸、そして迎賓館として
使われたという西洋館、撞球室の三棟が現存しています。
ジョサイア・コンドル氏の手がけた洋館は、広々としたベランダが印象的
な館。コロニアルスタイルと呼ばれる建築様式で建てられているとか。
ミントン社に依頼したというタイル装飾を足元に見ながら入ると、高いホールが
開けています。飾り柱も大階段も、凝った装飾が施されて重々しい印象です。
100309001100309004
100309002写真を撮る m さん

二階は、お客さまの滞在用の部屋が並んでいます。目を惹く壁紙は
金唐革紙と呼ばれる独特のもの。
100410005100309006
係の方の説明によれば、占領下の日本でGHQ(連合国最高司令官総司令部)
に接収され、壁にはペンキを塗られるなど、内装は荒れ放題になったそう。
戻された折、わずかに建具の陰に残された壁から、金唐革紙が顕われたので、
上田尚氏の手によって再生され、室内装飾として再現されたとか──。
ベランダに出てみれば、眩しいほどの春の光。
100309003
100309007100309008
階段を下りて、こんどは和館へと向かいます。サンルームを抜けて、渡り廊下のほうへ。

むむむ、長くなってきました。つづきは、きっと明日かあさって中に。 
はる、春、ハル。
2009年 03月 20日 (金) 12:01 | 編集
声高らかに春を謳いたくなるような、3月最初の土曜日。
胸を弾ませながら、朝も早くに電車に乗りました。行き先は、用賀。
駅から徒歩7分ほどにある、「seta-shop gallery」に向かいます。
この日から始まるのでした。秋葉絢さんの個展が!

待ってましたの思いが、自然と顔を緩ませます。足取りも心なしか
早まって、ギャラリーOPEN時間の20分も前に着いてしまいました。
──子どもか、おまえは。
と独りつっこみしつつ、ふと見回すと本屋があります。
時間があり、本屋がある。となれば入らないわけには参りません。
ひょっとして吉田秀和氏の新刊「永遠の故郷 薄明」(集英社)を
入手できるのではと思ったのでしたが、あいにくと。
かわりに小川洋子氏の「猫を抱いて象と泳ぐ」(文藝春秋社)を
手に入れました。書店を出ると、着物姿のおふたりづれを発見。
おお、あの方たちもOPEN待ちに違いありません。
日陰に入って、さっそく本を開きました。
待つことしばし、ギャラリーのSさんと秋葉さんご本人が出ていらして、
半ば開いていたシャッターを完全に上げて、中に招き入れてくださいました。

今回も、秋葉さんらしい物語に満ちた作品がずらりと並んでいます。
……なのに、やはり最初に視線が探すのは帯留だったりするのでした。
不肖の客で申し訳ない。

桜とともに羽を膨らませる鶯やめじろ、桜文鳥たち──。
夏場の金魚もじろりとこちらを見上げていて、夢中で帯留に
見入ってしまいました。ううう、予算さえ許せば、すべての子を
連れ帰りたい! がしかし、そんなわけには参りません。
どうしようどうしよう、と胸のうちで問答を繰り返しながら、真剣に
検討を重ねます。
ギャラリーのSさんがお茶をだしてくださり、ひと息いれて。
そうこうするうちに、前回もご一緒したmi さんも到着、あらためて
ああでもないこうでもない、が始まります。
最終的に、ネックレスとして作られた桜とめじろ、それに帯留用の
燕を選び出しました。
07030905
そして mi さんは、雰囲気にぴったりの菫の帯留をお買い上げ。↓
07030906
心が決まってから、さて、落ち着いて本来の作品を拝見します。
DMにも使われた、めじろたちが満開の桜の中で戯れるガラス器は、
やはり心奪われる仕上がり。
あるいは、こたつの中の眠り猫、親指姫をモチーフにしたチューリップ型の
器、童謡「森のくまさん」にヒントを得た、くすっと笑える作品──、等々、
小さな作品の中に豊かな世界が広がっていて、想像力を刺激してくれます。
いつかはこちらも。と、いつものように思いながら、しばし、楽しい世界に遊ばせて
もらいました。次回は10/10~、仙川にあるギャラリーで個展を開かれる
とのこと、嬉しいお知らせです。
ふたりして満面の笑みを浮かべながら、ギャラリーを後にしました。
そぞろ歩いて向かうは、二子玉川。かるくランチをしたあと、ずっとずっと
行ってみたかったショップへ。
その名も「kohoro(こほろ)」という店です。
こほろ、とは平安時代末期に編まれたとされる、今昔物語集に
でてくる擬音語──、と聞きました。
いまでいうなら、かすかな「ことり」、「かたん」、といった感じでしょうか。
店の名にふさわしく、幽かな音でこちらの心を惹いてくれるものものが、
居心地よさげに並んでいます。
テトラポット型の鍋つかみ、羽釜、鉄瓶、革のガマ口や深い碧色のマグカップ……。
あまりにも惹かれるものが多すぎて、ひそやかに心を宥めつつ
見て回りました。
なかでもひとつ、これはぜひ入手したいと思ったのが、バケツ型の
バッグ。もち手が厚手の麻になっていて、ものがたっぷり入りそう。
着物姿で持っても、しっくりと収まるような気がしました。
もうひとつ、あけびの手がついたバッグもまた、重くなったときに取っ手が
食い込まないようにと、別に革のカバーがついていて、その心配りの
濃やかさに思わずぐらり、と揺らぎます。
それでも、この日は秋葉さんの作品を選んだばかり。さすがに
ブレーキが利いたうえに、定番だと聞いて心落ち着きました。
また、次の機会に。ただ一枚、ガマンならずに、katakata さんの
型染手ぬぐいは、はい、いただきましたです。
07030907

居心地のよいkohoroさんをさりげなく彩っていた花たちの提供先は、
お向かいの花屋「Tiny-n」。
こちらもまた、心弾む花ぞろえ。逡巡したあげく、しばらく先の相方の
誕生日にかこつけて、花束をひとつ、手に入れました。
(写真忘れました……、なんてもったいない!)
「kohoro」の並び、「Linen Bird」にもお邪魔して、ネットでしか見たことの
なかった麻生地を味わいました。

すっかり顔はにやけたままの状態で、さらにコツコツと歩きます。
向かった先は「MARKT cafe(マルクトカフェ)」。こちらも、幾度も
写真を見直しては、いつか立ち寄りたいと願っていた場所です。
ここは、「PINEGRAIN(パイングレイン)」というアンティーク家具ショップに
併設されたカフェ。いまはなき、熱心に足を運んだ「デポー39」を彷彿と
させる、心地のよい店でした。
許可を得て、「MARKT cafe」にて。
07030904 スコーン、美味♪
0703090107030902
mi さんはなんと、中学生のときに伯母さまが縫ってくださったという
梔子色の紬。ぱっと華やいで、いかにも春らしい装いでした。
ご本人曰く「全身人参色」の、足袋まで揃った写真を撮りそびれたのが
悔やまれます。(笑)
もちろん、ふたりとも秋葉絢さんの帯留めをつけてきましたとも!

朝から夕暮れまで、たっぷりの休日──。暮れいく日を惜しみつつ、
ふたたび電車に乗りこみました。   (着物3年目/第7回目)

(余談ですが、「猫を抱いて象と泳ぐ」、電車の中で読みながら戻り、
着替えながらも本を置けず、そのまま読み了えました。気づくと、
声をあげて泣いていました。脱いだ着物に埋もれながら、しばらく、
小川洋子さんの築き上げた「王国」に浸り続けました……)
2月のこと。 その2 「一葉記念館」へ。
2009年 03月 19日 (木) 09:25 | 編集
そんなわけで、2月最後の着物でお出かけ、は「一葉記念館」でした。
折しも「樋口一葉と明治のファッション」展を開催中。
和裁教室で通っている先のマンション一階にしばらくこのポスターが貼ってあり、
ずっと気になっていたのです。
0209009(今月の29日(日)まで開かれています)

2月も末に近い平日、そぼ降る雨をものともせず、mi さんと久々の
着物デエトとあいなりました。
三ノ輪駅から歩くこと、七分ほど。先にいらした mi さんが、一階ホールで
一葉に関した映像に静かに見入っておられます。面白そうな内容だったので、
画面の近くに移動、ふたりして熱心に視聴しました。
ひとけのないロビーで、樋口一葉、こと樋口奈津の、24年間とごく短い、
しかし波乱に富んだともいえる一生について、しばし語り合います。
そのまま、展示階へと移動しました。展示の内容はけして多いとは
いえません。けれどそれぞれに、一葉の生涯や作品に思いを馳せるに
充分な意味合いに満ちています。

父の存命中も、けして裕福とはいえなかった一葉が、富裕層の女子が
多く通う歌塾「萩の舎(はぎのや)」に加わってからの、ある日の写真も
印象的でした。
発会式ということもあり、ほかの女性たちが華やかに着飾るさまをつぶさに
日記に書きとめつつ、自身は当時、外出着とはいえ地味であった古着の
八丈に身を包んだ一葉。最後列に、凛とした佇まいで写っています。
この日、発会でみごとに最高点を獲得したのは、一葉でした。
「誰のどんな華やいだ着物よりも、両親が苦心してそろえてくれた
古着の八丈が身に沁みて嬉しかった」という旨の日記をしたためた
彼女に、ゆるぎない矜持を感じました。

新年の晴れ着がなく、縫い物の賃仕事の合間に、妹が苦心してくれた
袖口やすそ周りだけは外着で、ほかは間に合わせのハギレを組み合わせた
着物の上に羽織をまとい、風が吹くたびに「ひるがえって中が見えは
しまいかとひやひやした」一葉の様子を思い、あるい小間物屋の仕入れや
店番の合間を縫って図書館に通った一葉の、「ずっと書いていられれば
いいのに」と呟くように書かれた日記を静かに胸におさめ……。
一葉と実際に交流のあった人物の、「知性輝くようであったが、色気は
まったくなかった」といった記述についてなど、ときおり、mi さんと小さく
言葉を交わしながらゆっくりと観て回りました。

しばらくして、ひとり、またひとり、とふたりの観覧者が見えましたが、
それぞれ足早に見て出られたので、あとはいっそう森閑として、まるで
貸切のよう。
王朝文学の影響が色濃く反映された初期の文章と、その香りは
残しながらも、独自の文体になっていく様子。
また、文壇にもてはやされる自分を「わたしが女だからだろうが、
女という性であるということはどうしようもないから」、と見定めつつ、
「いずれこの狂騒めいた華やぎは去るだろう」といった内容を
綴った日記──。
そして、「奇蹟の十四カ月」とも称される、小説家・樋口一葉最期の
一年間をあらためて噛みしめながら、展示を見終えました。

一階で、一冊の書籍と、一葉像の絵葉書とを購入。
きっとまた足を運ぼうと思いながら、館を後にしたのでした。
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書籍『一葉のきもの』(河出書房新社刊)。記念館内でのみ販売、と
付記されていました。『源氏物語』への造詣も深い近藤富枝氏と、
姪にあたる森まゆみ氏との共著。
「きもの」という切り口から一葉に迫る、充実した内容を楽しみました。
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こちらは日本画家・羽石光志氏が描いた一葉像。
葉書では色がよく出ていませんが、館内に飾られた絵では、半衿と
縞の着物が引き立てあって、一葉のすッと背筋のたった雰囲気をよく
伝えてくれていました。

最後に、この日の我々は──。
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mi さんはお似合いの納戸色ざざんざに、古裂の半衿、色の深い山繭帯で。
わたしは川越の日とおなじく、大島に染め帯でした。
(着物3年目/第6回目)

さて、次回からはなんとか、5と0のつく日を目安に更新していけるよう
目指します。って、もう明日が20日ですね。う……。
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