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ある日とつぜん、着物に目覚めたものの──、さてどうすれば? 迷いながら訊ねながら学びながらの着物日々記録。
*** 着迷いごと ***
あまりにも充実した……  その1
2009年 05月 01日 (金) 13:15 | 編集
見上げれば、ふわっと体が浮き上がりそうになるほど晴れわたった
4月の朝。その日が最終展覧日の特別展「旗本御家人 江戸を彩った
異才たち」@国立公文書館に向かいました。

地下鉄内のポスターを見て、ずっと楽しみにしていた展示です。
手提げにはノート、筆記具の準備も怠りなく、──ちなみに内容は、
公文書館の説明を借りれば以下のとおり。(全文引用↓)
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江戸時代、将軍に拝謁できる(お目見え以上)の旗本と、できない(お目見え以下)
御家人に大別されていた幕臣たち。どちらも「天下の旗本」「天下の御家人」として
高いプライドを持っていましたが、役人としての仕事はさまざま、生き方も
人それぞれでした。
天下泰平を謳歌し、安穏な一生を求める風潮の中、旺盛な知識欲と精力的な
活動で困難な職務を遂行したばかりでなく、学問・芸術の世界で輝いた
異才たちの姿も。幕末の若き幕臣たちの中には、明治以降、各分野で
活躍することになる人材もすくなくありません。
幕臣の職務や業績を、国立公文書館が所蔵する多彩な資料で照らし出します。
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東京メトロ東西線の竹橋駅をおりて、徒歩5分の場所に公文書館はありました。
初めて見る入口は、思っていたより広々としています。
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こころもち気後れしながら歩を進めましたが、入口に立つ警備員の方に
「いらっしゃいませ」とものやわらかに迎えられ、ほっとして会釈を返します。
受付で展示資料一覧を受け取って、まずは最初の展示を覗くやいなや──、
いきなり惹きこまれました。

まだ人が少ないのをいいことに、ガラスに覆いかぶさらんばかりに
展示を見つめ、資料と見比べ、気になる点を次々とメモしていきます。
とちゅう、見知らぬ人に「タダだから、イヤホンガイドも借りたほうが
いいよ」と薦められ、素直に借りに行きました。なるほど、ちょっとした
コメントに付記には載っていない面白いものがあって、隅のソファに腰を
下ろすやふたたび、メモ。
まだ1/3も見ていないのに30分が過ぎて、気づけば、ここで落ち合う
予定の k さんも到着、展示を見始めていました。彼女もまた、なにやら
メモをとっている様子。興味のある人間にはなんとも魅力的な展示です。

幕末の役人の中に、こんなに面白い人がいたのか(展示では〝奇人〟の
表記も)と唸りつつ、あるいは新米の役人を顎でこき使い、「家来を使うより
新米を使ったほうがいっそ気がラクだ」などとうそぶく古顔役人の小面憎さに
鼻を鳴らし、はたまた、天下泰平の世、武士の心得を忘れた若侍たちに、
「腹を切る折は、町人の〝心中〟を見習うつもりで」云々と諭す書に、思わず
笑いを誘われたり、幕府の中でさえその存在を知られていなかった、
奇想天外な役職があったことに驚かされたり……。

読むのみならず、色彩豊かな資料にも目を奪われます。柳田國男をして
「民俗学研究の先駆的業績」と言わしめた『御問状答書(おといじょうとうしょ)』、
動植物に心奪われ、研究を重ねた幕臣が残した彩色図『風鳥喑呼類(ふうちょう
いんこるい)』、等々挙げればキリがありません。
展示総数、五十九点。
なにを見ても読んでも眺めても、面白くてなりません。
こんなにも興味深い世界が啓けていたのかと、あらためて思い知ります。
ふと気づけば、展示を見始めてから2時間が過ぎていました。
胃の辺りから、なんとも情けない音が……。およそ空腹に弱いわたしが
集中力を切らすことなく2時間夢中になっていたという事実からも、
展示の放つ強力な磁気が伺えようというものです。

さすがに、そろそろエネルギー補給しないともたない様子。
k さんと、公文書館のならびにある東京国立近代美術館へ向かいます。
ここの2Fには「クイーン・アリス アクア」が入っているのでした。

ちょうど窓際のテーブルがひとつ空いていて、k さんと並んで席につきました。
この後予定がある k さん、そしてもう一度公文書館に戻るつもりの
わたし、ともにアルコールは遠慮して、おとなしくランチをいただきます。
それにしても、なんと気持ちのよい天気であることか──。
230409001230409004  メニュウには猫が!

たった今見てきたばかりの展示について、あれこれと語り合いながら
食事をすすめ、しっかりとプチデザートまでいただきました。食後の
コーヒーとなったところで kさんから提案が。
「テラスでいただきませんか?」
大賛成! さっそくお店の方にお尋ねして快くOKをいただき、
テラス席に向かいました。表に出ると、いっそう空が近くなります。
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せっかくだからふたり一緒の写真を、と思いつき、どこから撮ろうか、
セルフ設定したカメラをバッグの上に置いて云々と協議していると、
思いがけず隣の席から声がかかりました。
観光でいらしている様子の外国人ご夫妻が撮ってくださるというのです。
ありがたくお言葉に甘えて、ツーショット。
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もちろん我々もお返しに撮影して、Thank you の応酬があったあと、
男性から質問が飛んできました。
「とてもキレイだけど、毎日着てるの?」
「いいえ、毎日では。──でも、週に3から4日くらいは着ています」
拙い英語で答えたものの、ほんとうは、もっといろいろ説明をしたかった。
こういうときにつくづく、英語能力の低さが悔やまれます。
時間が許せば、それでも身ぶり手ぶりつきで精一杯の説明を加えるところ、
今回は次の予定も待っていますゆえ、残念ながら。
せめて Have a good day! の言葉だけ贈り、you too! の返事に送られて
手を振りながら別れました。(すでに afternoon だったかも……orz)

さて、k さんは歌舞伎座へ。わたしはふたたび、公文書館へ向かいます。
いえその前に、ちゃっかり近代美術館のミュージアムショップに立ち寄り
ましたが。
公文書館では、さきほどの2時間で不足していた部分の補強をなにかにと。
ことに興味深い資料に関しては、あらためて閲覧や複写の申し込み方法
などを確認しました。勉強不足を痛感しつつ──。

表に出ると、それでもまだ、陽はじゅうぶん高いところにあります。となれば、
せっかくです。以前から行ってみたかったカフェに立ち寄りたい、という気持ちが
むくむくと湧いてきます。そこで迷わず、隣接する北の丸公園に足を踏み入れたの
でした。
                                 (つづく)
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