ある日とつぜん、着物に目覚めたものの──、さてどうすれば? 迷いながら訊ねながら学びながらの着物日々記録。
*** 着迷いごと ***
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心あたたまるモノモノ
2009年 10月 29日 (木) 14:43 | 編集
さて、10月中旬の着物で外出。すこし前に、こんなことを書いておりましたが。
指輪を受け取るべく、平日夕方、ささっと 着物に着替えて「cocon 」に立ち寄りました。

すると、二週間ほどの間に品揃えが変わっていて、どうにも目がうろうろと
落ち着きませぬ。
けっきょく、やっぱり紙ものを買い足してしまうのでした……。
赤飯堂」の便箋は魅力的。わたしの万年筆では滲んでしまうことだけが
残念ですが、絵柄に惹かれてついつい、手を伸ばしてしまいます。
coconoct04coconoct01
紅い紙は、「夜長堂」のもの。昭和30年代頃の、千代紙、あるいは着物の図柄を復刻して
紙に仕上げたものだとか。おなじ夜長堂の作品、その名も「夜長楽団」♪なる手ぬぐいも
思わず入手。指輪の下に広げております。右は、おおきなぽんぽん付のヘアゴムに、
指輪が入っていた傘プリントの布袋。
coconoct03coconocy02
この日が3年目72回目。
coconoct05 
象牙色の琉球紬を、なんとか秋らしく──、と考えた半衿と帯揚あわせ。
上の写真では見づらいのですが、じつは。
思いがけずいただいた、ちりめんの帯揚を締めています。
下がそのUPです。長春色(ちょうしゅんいろ)と呼べばよいのでしょうか、
紫に紅が融けた地に、丁寧に刺された愛らしい花と控えめな箔が飛んでいます。
いつまでも撫でていたいほどにやわらかな、帯揚。
coconoct05
Mさま、ありがとうございます!!!  たいせつに大切に、使ってまいります。
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唄う、おもちゃのピアノ。
2009年 10月 27日 (火) 15:51 | 編集
盛りだくさんであった一日の締めくくりは、初めて体験する
「トイピアノ コンサート」。
文字通り、おもちゃのピアノによる本格的な音楽演奏、というものでした。
お声をかけてくださったのが、育休中の濱田先生に代わって
マトリョミンを教えてくださっている、アマヤフミヨ先生
コンサート会場となったのは、この10月にOPEN となった
深川東京モダン館」でした。ここの館長を、アマヤ先生のご友人が務めて
おられるというご縁にて──。

この日の演奏者は、ピアニスト・須藤英子さん。会場でいただいた曲目を
見て、驚きました。端唄あり、筝曲あり、東西の古曲ありの豊富な
レパートリーです。こ、こんな本格的な演目を、目の前で鎮座している、
おもちゃのピアノで弾くのですか……!
toypiano01toypiano02

会場の隅には、昔ながらのステンドグラスを背景に、ちょっとした
バーカウンターの設えもあり、コーヒーなどをいただけるように
なっていて──、建物の紹介は、またいずれ。

実際の演奏は、いやはや、驚きました。はじめの曲は、奏者が
お囃子がわりに口笛をはさみながら端唄を奏でるという、印象的な出だし。
トイピアノの紹介や、建物の紹介をはさみながら、ときに複数のピアノを
自在に弾きながらの演奏でした。

休憩を挟んで、トイピアノのために作曲された曲の演奏には、また
ちがう味わいがあります。なにしろ、その楽器の特性を活かした
曲目となっているわけで……。
ラスト、こんなモノも楽器として登場。水を注いだお茶碗です、はい。
toypiano03
澄んだ音を響かせていました。(笑)

朝から夕方まで、ぎっしり詰まった一日でした。
と、書きましたが、はや、10月も頭のことになってしまいました。そして、今は
10月下旬なのですね。うう。
またも出遅れ気味ですが、早めに(できれば今週中にも)中旬~下旬の話を
UPしてまいれるよう、努めます。まる。
仙川でランチ。
2009年 10月 18日 (日) 23:46 | 編集
さてさて、前回記したとおり、あらかじめ食事どころを調べて出かけた、この日。

今回、おもしろそうだと思ったのは、まず店名でした。
「小昼」とかいて、こびる、と読みます。正式には「CAFE KOBILU カフェ 小昼」。
“おやき”がある、と書いてあったのにも惹かれて、ギャラリーから徒歩7分ほどの
場所を訪れました。

kobilu02
行ってみると、昔なつかしい駄菓子屋さんのような佇まい。外観から
すでに和みつつ、ガラスの引き戸を開けて中に入ります。
kobilu03kobilu04
おお、外観どおりのこぢんまりさ、プラス、小学生の頃、友だちの家にお邪魔した
ときにも似た、「ああ、ひとのうちだ」と実感できる生活感がただよっています。
先客は、お年を召したご婦人がおひとり。いかにも馴染んだご様子で、
カウンター席の隅で熱心に本を読んでおられました。
その感じがまた、店のゆるりとした雰囲気を増しているかのよう。

こんにちは、と席について、ランチをお願いすると、残念、40分ほど時間が
早いことが分かりました。(食事時間は11:30~18:30)
ならば、まずは腹ふざけを──。
三種類あるおやきの中から、「カボチャの田舎煮」を選びます。
mi さんは 信州の林檎をつかったケーキ。
kobilu06kobilu05
器もしつらえも、なにやらレトロな感触です。
kobilu07kobilu08
やがて、ランチタイムをめざして、次々と人が入ってきました。
小上がりになった二人席を選ぶ方あり、四人席の端に座る方あり、
それですでに、我々を含めて七人ほどで、満席感が広がります。

ほんとうは、たいへんに充実した日替わりごはんが名高いようですが、
この日は気分でベジタブルカレーといたしました。
味も、なごやか。すっかり寛ぐあいだに、通り雨が外を洗っていきました。
雨上がり、店の向かいに設えられたガーデンアーチや、葡萄に似た実を生らせた
ヨウシュヤマゴボウなどを見ながら、ふたたびギャラリーへ……。
界隈に流れる、土曜日のゆったりとした時間を愉しみながら歩きます。
kobilu09kobilu10
(「小昼」店内の写真は、すべて許可を得て撮らせていただきました)

さてさて、この日はじつは、もりだくさんな一日でした。さらにこの後、
地元近くに移動して、とあるイベントに顔を出したのです。
それはまた、別の日に。
秋葉絢さん、個展 絶賛開催中♪
2009年 10月 15日 (木) 12:39 | 編集
毎回、「まさか今回は、ツボなものは出ないのでは」と、なかば祈るような
心もちで赴く、秋葉絢さんの個展
本来は、蓋物や瓶などがメインの作品展であり、せっかくなので
そちらを入手したい。そう思いながら、つい、すぐに使える帯留に
目が眩んでしまうのです。

今回も、朝早くから電車に乗って、わくわくと会場に伺います。目的駅に
着くと自然と早足に……。(笑)
会場前の信号で止まると、ガラス張りのギャラリー内に、すでに数人の
人影が見えました。心弾ませ、中に入ります。
とたんに、あああ、どうして? と、叫びたくなるような新作が並んでいるのが
目に入りました。もう、逃げられません。

その子もよいけど、あの子もかわいい、でもだがしかし、予算があるのよー! 
と、忙しなく脳内でひとり囁き交わしが始まります。

今回は、いつもご一緒するmi さんと、「誕生祝に、ひとつずつ贈り合いましょう」と
約束しているので、よけいに気合が入ります。
あれ? そういえば、先に着いているはずの mi さんの姿が見当たりません。
まあでも、いずれはいらっしゃるはず。会場に着いた旨、メールを打つと、ふたたび
いそいそと帯留と向き合いました。

福良雀、捨てがたし。ふくら文鳥、なお、おもしろし。その一段上では、
初めて目にするフクロウが、つぶらな瞳でじっとこちらを見上げています。
また別の列では、大好きなカラスウリが、つやつやと光って目に
留まるかと思えば、となりでは紫式部が、深い紫の実をつけて並んでいる、
といった按配──。
「どれも、いいですよねえ」
「ほんとにねえ」
なぞと、初対面の方と親しく言葉を交わしながら、それぞれにまた、悩みを深めます。

ほどなくして、なんとか、両手にひとつずつ、帯留の箱を手にしておりました。
ふふふふふ、よかろう。ひとりうなずく中、mi さんも到着。
いったい、どうなさったんですか?
「早く着いたから駅前でお茶してたら、わんちゃん連れの奥さま方と
話がはずんじゃって……。おもしろかったのよ、これから警察犬に
なるコと、警察犬を引退したコがいて」
あー。そんな話題なら、わたしもついつい、身が入っちゃうと思います。
えっと、で、もう、決めちゃいましたから。
「はやーい。じゃ、わたしも~」

mi さんも、真剣選択モードに突入。
すでに決めたはずのわたしも、横から覗いていると、またも心揺れはじめ。
いや、いかんいかん。次の機会にとっておくのだ。
と、あわてて視線をそらすのでした。

それぞれ、ふたつずつ選び、うち、ひとつは互いへの誕生日祝いに。
ひとつは、日頃のご褒美に。支払いを済ませ、シールを貼って
いただくと、展示期間中は預けておくということになりました。
(そんなわけで、帯留の写真は個展終了後にUPします)

ようやく落ち着いて、あらためて、メインの作品を鑑賞させていただきます。
早やッ。すでに数点、そちらの作品にも売約済のシールがついているでは
ありませんか。
DMに写った「実りの秋」は、予想どおりのほほえましさ。熱心に稲穂を
ついばむ雀たちの、愛らしいさえずりまで聴こえてきそうです。
さらに今回、惹かれてならなかったのが「緋い小道(あかいこみち)」でした。
満開の曼珠沙華に染まった小さな道を、狐がとことこと歩いています。
彼(たぶん)の瞳に、緋色の景色はどんな風に写っているのか。そして
小道の先には、どのような光景が広がっているのか──、そっと後をついて
行きたいような、詩情溢れる作品でした。

ギャラリーに到着なさった作家ご本人ともしばし、歓談。お目にかかるたび、
お人柄と作品の融和ぶりに心温まる思いを噛みしめます。
さらに、うれしい再会がありました。
前々回の個展でお目にかかったHさんも見えたのです。
今回は妹さんもご一緒で、mi さんも交え、会場前のテラスに出された
ビールで乾杯。ほかのお客様がたとも話が弾みました。

Hさん、秋葉さん作の雀の帯留が映える、秋らしい色目のコーディネート。
茶、チャコール、淡い紫、効き色の芥子などがあいまって、なんとも魅力的、
かつ、とてもよくお似合いです。
お許しを得て、写真を撮らせていただくことに。
ちなみに、この後仕事が入ったmi さんは、洋装にて。
秋葉さんに何度も「洋服なので感じがちがって……」と言われていましたっけ。(笑)
わたしから見ると、どちらの姿も違和感なく“おなじmi さん”のですが、
最初から和装を見慣れている目には、やはり印象が異なるものなのですねえ。

この日の会場は、調布市仙川。出かけるときは、つねに「気分に合いそうな
食事どころ」を下調べしていく習慣が身についているわたくし、ふっふふ、今回も
アタリなお店に出逢えましたよ。長くなりましたゆえ、その話は次回に。
まずは、Hさん、そしてわたしめの着物写真なぞ載せておきまする。
kotenn01kotenn02 
                          茄子の刺繍半衿!
kotenn03kotenn04 (3年目/71回目)
いつもの古い結城に「LUNCO」さんで手に入れたハギレと、やわらか帯を合わせて。
襟足から半衿が思い切りはみ出ているのは、下の長襦袢の衿幅が着物のそれより
長い(高い)ため。(汗) 
直さなくてはと思いつつ、衿はちと面倒なので後回しにしていたのでした。
……反省。
「着物あれこれ」── 青木玉氏 講演会
2009年 10月 13日 (火) 13:48 | 編集
10月最初の「着物でお出かけ」は、青木玉さんの講演会でした。

青木玉さんといえば、母が“あの”幸田文、祖父が幸田露伴という、外から
みると恵まれた、しかし、内からみるとあまりに大変な環境で育った方。
彼女の書いた随筆を読み進むと、露伴や文独自の哲学や躾の様子に、
肩が凝り、息ぐるしくなることもしばしば……。
いっぽうで、着物に関連した随筆は、ずいぶんと気を楽にして読むことが
できるのでした。

今回は講演タイトルが「着物あれこれ」。
着物に関する、わりあい気楽なものになるのでは、と思って伺うことに。

講演会場は、東京女子大学内、真新しい校舎の一教室。
『最新』という言葉を建築物に置き換えたような校舎に、いちいち目を
瞠りながら、広い教室で席を選びます。
着物姿の方も目立ちはじめ、やがて、開講時間になる頃には、
ほぼ満席となっていました。

壇上に現れた玉氏は、すらりと高い背を深々と折られて、白い襟足が
こちらの目に染みるほどに丁寧に、頭を下げられます。

玉氏がまず触れたのは、母校である東京女子大学キャンパスに
ひさしぶりに足を踏み入れた感慨でした。
八十歳を迎えた氏が、このキャンパスに初めて立ったのは、半世紀以上
前のこと。
「正面キャンパスの松が、ずいぶん見事になって……。わたしたちが
入学した頃は、もうこんな小さくて(と、20cmくらいの手幅をつくり)、
飛び越えられるくらいでしたのよ」
そうして、敗戦色の濃い時代に、ここで体験した学生生活は、
形になるものも、ならぬものも、のちに得がたい時間であったと
痛感するようになった──、という話から、ご母堂・幸田文氏へと
つながり、生前の暮らしぶりや、また、亡くなってからの想い、
書くことについて、などが、連綿と語られました。

とちゅう、ご自身で「あら、着物あれこれ、のはずですのに、まあ、
ずいぶんと外れてしまって」とおっしゃって、聴き手も笑いを誘われます。

けれど、書き手としての生の言葉には、気づかされることも多く、
「文章のしっぽ」という表現や、「もうどうにも書けない、と追い詰められた
ときにはじめて、おぼえていたとも、憶えていないともつかないものが
出てくる」といった話に、頷きつつメモをとったことでした。

残り時間が30分、となったあたりで、話は着物に移りました。
「着手(きて)の性格、絹や木綿という布(きれ)の性格、そこに
天気や出かける場所といった状況、さらには多少の約束ごとが
加わって、着物を着るにはかならず、迷う時間が必要になる。
その迷いもふくめたものが、着物を着るということ……」
といった話から、
「そうやって着ていって、“いつもこればかりで面白くないな”という
組み合わせを持つようになって初めて、そこからバリエーションが
広がっていく」といった展開に。
玉氏ご自身は、たとえば、実用着として活躍する一枚に、
色違いの帯を三本ほど合わせたり、の工夫をしておられるとか。

ふだんは洋服で過ごし、講演会や取材など、仕事の折には
できるだけ、母上の遺された着物に袖を通される、とも。
この日着ていらしたのは、青鈍色がかった「お召し」でした。

ときおり、お嬢さんの話も出てきます。
「今日も、“玉ちゃん、ハネがあがってるよ”って娘に注意されました」と、
ほほえましい関係が伺えます。
「“玉ちゃん”って呼ばれるぶん、こちらもお母さんじゃなくって、
好きにさせてもらってるんですよ」と語られる際のお茶目な表情が、
幸せそうに見えました。

満場の拍手を浴びて、講演は終了。本の販売とサイン会があった
ので、読んではいたのですが、もういちど「小石川の家」(講談社文庫)を
手にとり、列に並びました。
書いてくださった言葉は「今夜は十五夜」。

思わず「お月見、なさいますか?」と尋ねると、
「その頃はもう、寝てしまいますねえ。月見より眠気ですね」
とおっしゃいます。
笑って受けましたら、玉さん、ふと真顔になって
「お月見をね、無心に楽しめたのは、母が生きていた頃まででした。
あとはもう、まったく」と、続けられました。
講演の内容もあったので、「やっぱり(存在が)とても大きな
ものですね……」と申しますと
「そうね。亡くしてみて初めて、分かったわね」と。

帰宅後、幸田文著「台所のおと」、「流れる」を再読。この書き手が
母であることの、重圧と幸福……。

この日が3年目/69回目。先日、ひとえ紬に「おつかれさま」と声をかけた
ばかりだというのに、あともう一頑張りしてもらうことに。「LUNCO」さんで
入手したハギレと帯を合わせて秋らしく──。
tamasikouennkai01tamasikouenkai02 
ここまでやわらかな帯は初めてで、けっこう時間がかかりました。
それでもまだ、ズレている。(汗)
(70回目も、おなじ組み合わせで「いつものツアー」参加しました)
そして、目白、その後。
2009年 10月 10日 (土) 17:24 | 編集
さて、「王朝文学のなぞ解き」に昂奮したその後、目白まで来たなら
足を伸ばしたい場所は、じつは数箇所、ありました。
着物や帯で名を知られた「花想容」、「花邑」、「LUNCO」の各店。
あるいは「永青文庫」、「永青文庫別館」、「新江戸川公園」散策……。

けれども、脳が熱を帯びたあと独特の疲れを感じてもいて、日をあらためて
出かけて来ようか? と逡巡しつつ、目白駅まで、母のお供を務めました。

JRの改札で手を振って見送り、さて、と首を傾げます。このまま帰るか、
それとも、どこかに立ち寄るか──。
せっかく目白駅前に立っているのです。一カ所だけでも立ち寄りたい気持ちが
勝りました。せめて、もっとも駅近なところがよろしかろう。というので、
「LUNCO」を訪ねることに。

目白駅から歩くこと、ものの五分ほどだったでしょうか。
サイトや雑誌で目にした店舗が目の前に現れました。おお、初本店。
luncohontenn
胸を高鳴らせ、「こんにちは」と覗きます。ちょうど中で話をしておられた
ふたりの女性が、同時に振り向かれました。
……あれ? なんだか、ものすごうく、見覚えのある方たちのような……??

偶然にも、灯屋2のスタッフでもある桃子さん、それに、アンティークモール
銀座店で何度も顔を合わせていたスタッフの女性(すみません、お名前を
伺い忘れてしまいました)がいらしたのでした。
その一瞬で、いきなり寛いだ心もちとなり、ゆったりのんびり、店内を
見せていただくことに。とちゅう、図々しくも、おふたりのお喋りにも
加わらせていただきつつ。(笑)

結果的に、半衿用のハギレ2枚、最初に「これは」と感じた帯一本、
デッドストックの帯留1本を入手しました。なんだか、頭にも心にも
贅沢な締めくくり。ほくほくと手にした品々は、さっそく、10月頭に
活躍することになるのでした。
sennrihinn
この日が、3年目68回目。毎度おなじみ、一張羅ひとえにカンタ刺繍帯です。
無地に近い野蚕紬、半衿や帯で印象が変わるのも幸いして、六月九月と大活躍、
なのはよろしいのですが。
あまりに着られすぎて、いつも、季節の終わりにはしわしわごわごわになってしまう
気の毒な一張羅でもあります。裾や居敷当ても傷んで、何度、繕ったことか。
いいかげん、せめてあと一枚は気に入りのひとえを入手せねばと思いつつ、
今年も10回以上、袖を通してしまいました。来年こそは、なんとかせねば。
gokougi お疲れさま……。
実りの秋に。
2009年 10月 09日 (金) 14:48 | 編集
台風一過。
秋晴れの空の下、明日より、秋葉絢(あきば・あや)さんの個展が開催されます。
「手のひらいっぱいの ちいさな物語」
akibaayasannkotenn01 蓋物「実り」 径6cm
期間:2009.10/10(土) ~ 11/1(日) 10:00~18:30 水曜休廊
場所:sagio(サジオ) 調布市仙川町1-24-1
http://www.plaza-gallery.com/

一昨日でしたか、朝日新聞夕刊にも紹介記事が出ていて、おおっと
声を洩らしてしまいました。(笑)

先日、書きかけた「目白のその後」、早めにUPいたしまするが、まずは
上記お知らせなぞ。
説話集、見てきたような嘘をつき……?
2009年 10月 06日 (火) 14:49 | 編集
日本女子大学の前学長、後藤祥子先生による特別講演会を、母と連れ立って
聴きに行きました。タイトルは「王朝文学のなぞ解き」。
会場は、日本女子大学目白キャンパス内、成瀬記念講堂です。

巨大な鯨の胸骨のように高く、しっかりと組まれた木の骨組み、
ステンドグラスを通じて入ってくるやわらかな日の光、そして、
大きなドーナツの輪っかに、ちいさなドーナツ型の蛍光灯が
通っているような、不思議な形の照明、などに見とれるうちに、
開講時間が近づいてきました。みるみる席が埋まっていきます。
ざわめきが高い天井に響きはじめ、あらかじめ配られた資料に
目を通しながら、期待感が高まるのを心地よく感じていました。

やがて壇上に、後藤先生が立たれました。

昨秋、ご一緒に仕事をさせていただいて以来なので、およそ
一年ぶりになるでしょうか。
すこしお痩せになったのでは、と、案じられたのも僅かな間。

話の前ふりとして、学生時代、ミステリが大好きで、コートの両ポケットに
一冊ずつ、文庫本を入れて歩いておられたと語られるところから、すぐに
引き込まれました。
わたしも大好きなミステリ作家たちの名前があがり、おおいに親近感を
いだくと共に、さて、そうしたミステリ好きの研究者がひも解く「なぞ」とは
いったいなにか? わくわくが募ります。

まずはおなじみ、『源氏物語』から。

「野分」に出てくる、光源氏の息子・夕霧と、明石の君付の女房たち
とのなにげないやりとりに隠された、夕霧のほんとうの心情とは──?

示されたのは、夕霧が、長年の想い人であり、幼なじみでもある
雲居雁に、歌を送る場面です。

当時、和歌は、詠んだ紙を手紙のようにそのまま持たせることは少なく、
花や折枝などに結んで贈るものでした。
なにかしら、歌に関連性があったり、あるいはその、花や枝自体に意味を
もたせるものであったり。と、贈り手のセンスや機知、あるいは知識が
試されることでもありました。

夕霧が、野分(台風)に遭ったお見舞に、父・光源氏の邸、六条院を訪ねた日。
激しい風のため、妻戸が開け放しになっていて、いつもなら、奥を
のぞけないように立てこめられた屏風も畳まれ、御簾まで風で
吹き上げられて、ずっと中まで見通しがきくのでした。
そこで、夕霧は、初めて、照り映えるような紫上の姿を目にします。

さらに翌日、父が、娘であるはずの玉鬘と恋人同士のように戯れる様子を
目にした夕霧は、なかば呆然としながら、明石の姫君の住まうあたりで、
紙と筆を借りるのでした。
そして、自身の想い人である雲居雁に歌を書きます。その紙を、風に
吹き乱された刈萱(かるかや)に添えて贈る様子を、そんな野暮な、と、
女房たちにからかわれるのですが……。

文学者や作家の随筆などでも取り上げられたりする箇所なのですが、
じつは、「まめ人」(誠実でまじめ、でも、いまひとつ面白みのない男)の
代名詞的に扱われることの多い夕霧の、青年らしい激情が垣間見える
ヒントがある。それは、じつは──。

思わずヒザを打つ展開でした。
また、『蜻蛉日記』の作者と、親しい女性とのやりとりから推察される事実とは、
など、「ああ、そういう側面から光をあてて考えられるのか」と頷く話が続きます。

さらに、歌人として名高い、赤染衛門の実像について。
ここで、本日の記事タイトル『説話集、見てきたような嘘をつき。』
にひっかかるのですが。
古来、日本には『古今集』などの説話集がありますが、まことしやかに
書かれた話が、史実に照らし合わせると、あり得ないことが判明することも
多い、という例にも触れられます。
講演の内容は、間断なく、聴き手の好奇心や思考を触発しつづけるものでした。

最後に、清少納言の「なぞ」について触れられ、これからそれを解いて
いかれる旨、語られてから、壇上から降りられました。

紅くなるほど手を叩きました……。

解散後、母とともにご挨拶を申しあげると、壇上におられたときとはまた
ちがった、茶目っ気が光る瞳で、笑いながら対応してくださいます。
母が先生の「追っかけ」を自任する気持ちが、あらためて、よく分かりました。

それにしても。
尋常ではないお忙しさを知っているだけに、その日常を縫って、
研究者として、ご自身の道を究め続けておられる日々を想像して、
ため息が洩れました。
一流の人の、淡々と積み上げていかれるものの、重み。
その、才能が放つ力。
いまさらながら、そうしたことを感じた一日となりました。

講演後、母と大学近くのカフェで興奮をわかちあったのち、
まだ明るいうちに目白駅前で別れました。
ここまできたら、寄っておきたいところがあるのです。──着物好きな
方なら、にやり、でしょうか。
そうです、そこです。(笑) つづきは、明日にでも。

「成瀬記念講堂」内、あまりにも愛らしいお手洗いを、つい、撮って
しまいました。純白の壁や窓枠に映える、甘いピンク。
そして懐かしい真ちゅう製のドアノブに、使用中表示。
……講演内容との落差は笑い捨ててやってください。
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