2009年
10月
15日
(木)
12:39 |
編集
毎回、「まさか今回は、ツボなものは出ないのでは」と、なかば祈るような
心もちで赴く、秋葉絢さんの個展。
本来は、蓋物や瓶などがメインの作品展であり、せっかくなので
そちらを入手したい。そう思いながら、つい、すぐに使える帯留に
目が眩んでしまうのです。
今回も、朝早くから電車に乗って、わくわくと会場に伺います。目的駅に
着くと自然と早足に……。(笑)
会場前の信号で止まると、ガラス張りのギャラリー内に、すでに数人の
人影が見えました。心弾ませ、中に入ります。
とたんに、あああ、どうして? と、叫びたくなるような新作が並んでいるのが
目に入りました。もう、逃げられません。
その子もよいけど、あの子もかわいい、でもだがしかし、予算があるのよー!
と、忙しなく脳内でひとり囁き交わしが始まります。
今回は、いつもご一緒するmi さんと、「誕生祝に、ひとつずつ贈り合いましょう」と
約束しているので、よけいに気合が入ります。
あれ? そういえば、先に着いているはずの mi さんの姿が見当たりません。
まあでも、いずれはいらっしゃるはず。会場に着いた旨、メールを打つと、ふたたび
いそいそと帯留と向き合いました。
福良雀、捨てがたし。ふくら文鳥、なお、おもしろし。その一段上では、
初めて目にするフクロウが、つぶらな瞳でじっとこちらを見上げています。
また別の列では、大好きなカラスウリが、つやつやと光って目に
留まるかと思えば、となりでは紫式部が、深い紫の実をつけて並んでいる、
といった按配──。
「どれも、いいですよねえ」
「ほんとにねえ」
なぞと、初対面の方と親しく言葉を交わしながら、それぞれにまた、悩みを深めます。
ほどなくして、なんとか、両手にひとつずつ、帯留の箱を手にしておりました。
ふふふふふ、よかろう。ひとりうなずく中、mi さんも到着。
いったい、どうなさったんですか?
「早く着いたから駅前でお茶してたら、わんちゃん連れの奥さま方と
話がはずんじゃって……。おもしろかったのよ、これから警察犬に
なるコと、警察犬を引退したコがいて」
あー。そんな話題なら、わたしもついつい、身が入っちゃうと思います。
えっと、で、もう、決めちゃいましたから。
「はやーい。じゃ、わたしも~」
mi さんも、真剣選択モードに突入。
すでに決めたはずのわたしも、横から覗いていると、またも心揺れはじめ。
いや、いかんいかん。次の機会にとっておくのだ。
と、あわてて視線をそらすのでした。
それぞれ、ふたつずつ選び、うち、ひとつは互いへの誕生日祝いに。
ひとつは、日頃のご褒美に。支払いを済ませ、シールを貼って
いただくと、展示期間中は預けておくということになりました。
(そんなわけで、帯留の写真は個展終了後にUPします)
ようやく落ち着いて、あらためて、メインの作品を鑑賞させていただきます。
早やッ。すでに数点、そちらの作品にも売約済のシールがついているでは
ありませんか。
DMに写った「実りの秋」は、予想どおりのほほえましさ。熱心に稲穂を
ついばむ雀たちの、愛らしいさえずりまで聴こえてきそうです。
さらに今回、惹かれてならなかったのが「緋い小道(あかいこみち)」でした。
満開の曼珠沙華に染まった小さな道を、狐がとことこと歩いています。
彼(たぶん)の瞳に、緋色の景色はどんな風に写っているのか。そして
小道の先には、どのような光景が広がっているのか──、そっと後をついて
行きたいような、詩情溢れる作品でした。
ギャラリーに到着なさった作家ご本人ともしばし、歓談。お目にかかるたび、
お人柄と作品の融和ぶりに心温まる思いを噛みしめます。
さらに、うれしい再会がありました。
前々回の個展でお目にかかったHさんも見えたのです。
今回は妹さんもご一緒で、mi さんも交え、会場前のテラスに出された
ビールで乾杯。ほかのお客様がたとも話が弾みました。
Hさん、秋葉さん作の雀の帯留が映える、秋らしい色目のコーディネート。
茶、チャコール、淡い紫、効き色の芥子などがあいまって、なんとも魅力的、
かつ、とてもよくお似合いです。
お許しを得て、写真を撮らせていただくことに。
ちなみに、この後仕事が入ったmi さんは、洋装にて。
秋葉さんに何度も「洋服なので感じがちがって……」と言われていましたっけ。(笑)
わたしから見ると、どちらの姿も違和感なく“おなじmi さん”のですが、
最初から和装を見慣れている目には、やはり印象が異なるものなのですねえ。
この日の会場は、調布市仙川。出かけるときは、つねに「気分に合いそうな
食事どころ」を下調べしていく習慣が身についているわたくし、ふっふふ、今回も
アタリなお店に出逢えましたよ。長くなりましたゆえ、その話は次回に。
まずは、Hさん、そしてわたしめの着物写真なぞ載せておきまする。

茄子の刺繍半衿!

(3年目/71回目)
いつもの古い結城に「LUNCO」さんで手に入れたハギレと、やわらか帯を合わせて。
襟足から半衿が思い切りはみ出ているのは、下の長襦袢の衿幅が着物のそれより
長い(高い)ため。(汗)
直さなくてはと思いつつ、衿はちと面倒なので後回しにしていたのでした。
……反省。
心もちで赴く、秋葉絢さんの個展。
本来は、蓋物や瓶などがメインの作品展であり、せっかくなので
そちらを入手したい。そう思いながら、つい、すぐに使える帯留に
目が眩んでしまうのです。
今回も、朝早くから電車に乗って、わくわくと会場に伺います。目的駅に
着くと自然と早足に……。(笑)
会場前の信号で止まると、ガラス張りのギャラリー内に、すでに数人の
人影が見えました。心弾ませ、中に入ります。
とたんに、あああ、どうして? と、叫びたくなるような新作が並んでいるのが
目に入りました。もう、逃げられません。
その子もよいけど、あの子もかわいい、でもだがしかし、予算があるのよー!
と、忙しなく脳内でひとり囁き交わしが始まります。
今回は、いつもご一緒するmi さんと、「誕生祝に、ひとつずつ贈り合いましょう」と
約束しているので、よけいに気合が入ります。
あれ? そういえば、先に着いているはずの mi さんの姿が見当たりません。
まあでも、いずれはいらっしゃるはず。会場に着いた旨、メールを打つと、ふたたび
いそいそと帯留と向き合いました。
福良雀、捨てがたし。ふくら文鳥、なお、おもしろし。その一段上では、
初めて目にするフクロウが、つぶらな瞳でじっとこちらを見上げています。
また別の列では、大好きなカラスウリが、つやつやと光って目に
留まるかと思えば、となりでは紫式部が、深い紫の実をつけて並んでいる、
といった按配──。
「どれも、いいですよねえ」
「ほんとにねえ」
なぞと、初対面の方と親しく言葉を交わしながら、それぞれにまた、悩みを深めます。
ほどなくして、なんとか、両手にひとつずつ、帯留の箱を手にしておりました。
ふふふふふ、よかろう。ひとりうなずく中、mi さんも到着。
いったい、どうなさったんですか?
「早く着いたから駅前でお茶してたら、わんちゃん連れの奥さま方と
話がはずんじゃって……。おもしろかったのよ、これから警察犬に
なるコと、警察犬を引退したコがいて」
あー。そんな話題なら、わたしもついつい、身が入っちゃうと思います。
えっと、で、もう、決めちゃいましたから。
「はやーい。じゃ、わたしも~」
mi さんも、真剣選択モードに突入。
すでに決めたはずのわたしも、横から覗いていると、またも心揺れはじめ。
いや、いかんいかん。次の機会にとっておくのだ。
と、あわてて視線をそらすのでした。
それぞれ、ふたつずつ選び、うち、ひとつは互いへの誕生日祝いに。
ひとつは、日頃のご褒美に。支払いを済ませ、シールを貼って
いただくと、展示期間中は預けておくということになりました。
(そんなわけで、帯留の写真は個展終了後にUPします)
ようやく落ち着いて、あらためて、メインの作品を鑑賞させていただきます。
早やッ。すでに数点、そちらの作品にも売約済のシールがついているでは
ありませんか。
DMに写った「実りの秋」は、予想どおりのほほえましさ。熱心に稲穂を
ついばむ雀たちの、愛らしいさえずりまで聴こえてきそうです。
さらに今回、惹かれてならなかったのが「緋い小道(あかいこみち)」でした。
満開の曼珠沙華に染まった小さな道を、狐がとことこと歩いています。
彼(たぶん)の瞳に、緋色の景色はどんな風に写っているのか。そして
小道の先には、どのような光景が広がっているのか──、そっと後をついて
行きたいような、詩情溢れる作品でした。
ギャラリーに到着なさった作家ご本人ともしばし、歓談。お目にかかるたび、
お人柄と作品の融和ぶりに心温まる思いを噛みしめます。
さらに、うれしい再会がありました。
前々回の個展でお目にかかったHさんも見えたのです。
今回は妹さんもご一緒で、mi さんも交え、会場前のテラスに出された
ビールで乾杯。ほかのお客様がたとも話が弾みました。
Hさん、秋葉さん作の雀の帯留が映える、秋らしい色目のコーディネート。
茶、チャコール、淡い紫、効き色の芥子などがあいまって、なんとも魅力的、
かつ、とてもよくお似合いです。
お許しを得て、写真を撮らせていただくことに。
ちなみに、この後仕事が入ったmi さんは、洋装にて。
秋葉さんに何度も「洋服なので感じがちがって……」と言われていましたっけ。(笑)
わたしから見ると、どちらの姿も違和感なく“おなじmi さん”のですが、
最初から和装を見慣れている目には、やはり印象が異なるものなのですねえ。
この日の会場は、調布市仙川。出かけるときは、つねに「気分に合いそうな
食事どころ」を下調べしていく習慣が身についているわたくし、ふっふふ、今回も
アタリなお店に出逢えましたよ。長くなりましたゆえ、その話は次回に。
まずは、Hさん、そしてわたしめの着物写真なぞ載せておきまする。


茄子の刺繍半衿!


いつもの古い結城に「LUNCO」さんで手に入れたハギレと、やわらか帯を合わせて。
襟足から半衿が思い切りはみ出ているのは、下の長襦袢の衿幅が着物のそれより
長い(高い)ため。(汗)
直さなくてはと思いつつ、衿はちと面倒なので後回しにしていたのでした。
……反省。
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