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ある日とつぜん、着物に目覚めたものの──、さてどうすれば? 迷いながら訊ねながら学びながらの着物日々記録。
*** 着迷いごと ***
これが着物の「Pass the baton」。
2010年 11月 25日 (木) 20:43 | 編集
さて、先週触れた、「着物ごころが立ち騒いだ日」のことなど。

この日わたしたちは、ふだん自由に着物を楽しんでおられる先達から、
彼女が手放すもののいくつかを、譲っていただく機会に触れたのでした。
あらたな使い手として引き継いだ──、という意味で、まさにバトンを
受け取った、と言いたくなります。

手放すに当たり、先達は丁寧に手を入れてくださっていました。

たとえば、お母さまが愛用しておられた小紋。大胆な柄いきが昔らしい
一枚ですが、それを洗い張りして、羽織に仕立て直しされました。
その際、こだわって「岡重」の襦袢地を羽裏にあしらわれたり。
haura.jpg 潮騒が聴こえそう。
(「岡重」の襦袢地、はじめて現物を見ました(笑))

使わなくなった兎の帯留には、あらたに淡やかな色の三分紐を組み合わせたり。
usagiobidome.jpg 丸っと兎 on 羽織。

SHちゃんが引き継いだ久米島紬は、裏におじいさま愛用の襦袢地があしらわれ、
渋さと粋とが溶けあって。
ちらりと見える八掛けに、ついふらふらとついて行ってしまいそう……。(笑)
kumejima.jpg

また、江戸時代のものだという百足の帯留には、SHちゃん、ひそかに興奮。
じつは2005年に東京都庭園美術館で開催された「日本のジュエリー100年展」で、
形は違うけれど百足の帯留を目にして以来、「いつかきっと」と思い続けていたらしく。
「5年越しの出逢い」となりました。(笑)
mukadetohannerib.jpg 贅沢な刺繍半襟を背景に。

このように大切にされてきたものたちですから、もちろん「いただいた」わけでは
ありません、念のため。
けれども、あくまで個人の持ち物を、顔を見て譲ってくださる形なので、私たちにとっては
なんとも得がたく、ありがたいご縁と出逢いとなりました。

そんなこんなで、あらためて、着物ごころがおおいに色めき、立ち騒いだわけでして。
krakusabaori_20101125111553.jpg 合わせてみました。krakusabaori_b.jpg 


そして、つい先日。
また別の形のバトンタッチを目にすることに。

着物仲間にして京都旅行にもご一緒したMさんのお友だち、Kさん。
(フェルト造形作家でもあります。先般、個展が終わったばかり)

たまたま、ご近所にお住まいということもあって、一緒に飲んだり
しゃべったりの機会が増えていたのですけれども──、そのKさんのもとに、
一枚の紬が届けられたというのです。

贈ってくださったのは、Kさんより少し年上のアーティスト。
展覧会をご一緒して親しくなったその方が、引っ越しにあたって、
「手元の着物を整理したい」と思い立たれたそうです。

布と糸を素材にコラージュ作品を作っておられる方が、その感性で
Kさんにと選んだのは、瑠璃紺色の紬でした。
「あなたの顔が思い浮かんだから」と、洗い張りして、寸法すべてを
背の高いKさんに合わせて、仕立て直して渡してくださったのだとか……。

その紬を手に、先日、Kさんが立ち寄ってくれました。
光を帯びた瑠璃紺色に、吉祥柄が織り込まれた紬は、色白で背が高いKさんにぴったり。
しつけ糸もそのままに、さっそくどんな帯が合うかの「コーディネート大会」が開催され(笑)、
いくつか素敵な組み合わせを確認しました。
rurikonniro.jpgkannta.jpg
色味の少ないイカット帯やカンタ刺繍帯、お似合いでした♪

こんな嬉しい「PASS THE BATON」も、着物ならではの楽しみかた。そんな想いを、
にやにやと胸のうちで楽しむ、このごろです。
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