ある日とつぜん、着物に目覚めたものの──、さてどうすれば? 迷いながら訊ねながら学びながらの着物日々記録。
*** 着迷いごと ***
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七夜月の夏きもの、その2。
2009年 08月 31日 (月) 13:21 | 編集
七月、夏きもののつづきです。

【 54回目 】
『宮古島の神歌と古謡』を聴きに。
朝日新聞紙上での記事を読んで、すぐさま開催元に問合せ、相方と
ふたりぶんのチケットを入手しました。
本来、門外不出のきびしい戒律に守られた、神に聞かせるためだけの
神歌。島を出ての演奏会にあたって、あらかじめ「神人(カンカカリャ)」と
呼ばれる祭司的役割の方が、儀式をとりおこなったとか──。

kamiutatokoyou

今回、神歌は二箇所の地区に伝わるものが演奏されます。

まず、宮古島西原地区の神歌を歌うのは、巫女的な役割にあたる、
神司(かみつかさ、ツカサンマ)を務めた80~90歳代の女性、三人。
この神司は、年間で何十日間も神事に携わらねばならぬたいへんな
務め。しかも、うたわれる神歌は、聖地と定められた場所に幾晩か籠り、
一晩中神に捧げて歌い通す、まさに捧げものなのです。

杖を、あるいは人の手を頼りに、ゆっくりと舞台上に現れたおばあたち。
まとっているのは、宮古上布。対丈に筒袖、細帯と琉球本来の着方です。
三つの椅子に腰をかけ、なにやら囁き交わしているうち、やおら、歌は始まりました。

はじまりこそ、細く、しわがれた頼りなげな声で詠唱された祈りの歌は、
次第次第に熱を帯び、波線を描くようにゆるやかに上下しながら
潮騒にも似て、耳に、体に届いてきます。
歌、というよりはまさに、祈り、神への言葉なのだと感じました。同時に、
歌を依り代として、神が降りてくるのだ、とも──。

伊良部島佐良浜地区の神歌は、祝い歌とともに披露されたこともあって、
ぐっと陽性な感じを受けました。歌い手たちが若いことも大きな要因でしょうか。
それでもやはり、祈りの特性でしょうか、繰り返しくりかえし、高く低く、
波のように打ち寄せる声が胸に響きます。

ほかにも、宮古島西原地区や多良間島の古謡や、小学生ながら驚異的な
バチ捌きで三線を弾き、のびやかな歌声を響かせる譜久島雄太くんと
ご両親のユニットによる民謡披露など、じつに公演時間4時間にわたる
濃密な時を過ごしました。

神歌の公演詳細については、Webマガジン『日刊 ryu Q(リュウキュウ)』内 
カテゴリ「伝統行事・芸能・沖縄の祭り」7/21・22の特集ページに、写真つきで
掲載されている記事を見つけました。
当日の写真をみて、あの日会場に流れた独特の空気感や、真摯にうたう
元ツカサたちの、祈りに充ちた歌声をあらためて思い出しました。

30~40年前には、30名以上のツカサたちがいたのだと、会場でアナウンスが
ありましたが、現在は10名ほどしかおられないとか。神に、神事にささげる
日数や肉体的・精神的負担は大きく、それに見合う──というよりは、神
という存在そのものへの想いが、現代の生活からは隔たってしまった現実を
感じずにはいられません。
たぶんそれでも、島における感謝の想いは、わたしの周囲の日常などより
はるかに深く、濃いものでありましょうけれども……。

宮古島、ということで、迷わず上布に袖を通して出たものの、おのれの無知を
噛みしめつつ、あらためて、もっと歴史や民俗学に通じたい、と実感した日と
なりました。

【 55回目 】
テルミニスト濱田佳奈子氏の演奏を聴きに、多摩センターへ。
いつものことながら、ピアノの櫻木枝里子さんとの息の合った演奏を
楽しみました。中でも、新曲はうれしい贈りものでした。
『ハウルの動く城』からのアレンジ曲で、すばらしい仕上がり。テルミンという
電子楽器の魅力を、あらためて体感しました。
演奏後、マト仲間のSちゃんとお茶や買物を堪能。1000円のマトリョーシカ
Tシャツ、いつかSちゃんと揃いで着て演奏したい……。(笑)
この日は、51回目とおなじ組み合わせで。

【 56回目 】
COCOON歌舞伎『桜姫』を観に。
波乱万丈の、歌舞伎らしい演目ですが、今回ことに惹かれたのが
中村七之助さんの成長ぶり。女形として舞台上で拝見するのは一年ぶり
でしたが、まるで花が開いたかのとごく活き活きとあでやかに、
恋と運命に翻弄される姫を演じておられました。
それと、扇雀さん演じる乳母が絶妙で、楽しんで演じておられる雰囲気が
伝わってきて、ずいぶん笑わせていただきました。

終演後、ひさびさにお会いした着物仲間のAさんと、近くの蕎麦店「清山」へ。
お互いの近況を報告しあい、心弾む一宵を過ごしました。

この日は、一年目に入手した昔きもの(小千谷縮)に、昨年手に入れた
ルリカケス(推定)刺繍帯で。 A さんも浴衣姿、ふたりしてCOCOONロビーに
出店された、歌舞伎座を思い出させるみやげもの店を冷やかしたりと
お祭り気分。しっかりと、記念の手ぬぐいも手に入れました。
cocoon09
だというのに、なぜか着姿の写真を撮り洩らすというお粗末。芝居の熱に
浮かされたものでしょうか──。
これだけはどうしても、の思いで撮りましたのは、藍染の麻半衿。8/8記事の
ラストでご紹介した「日本の夏じたく」展で入手した、飯島桃子さんの手による
半衿です。
ご自身で藍染した麻布に、銀糸で丹念にもみじが刺繍されています。
涼しげな衿元を演出してくれました。
aizomesishuuhanneri
これにて、七夜月の報告は仕舞いです。そしてようやく、八月の記事へ! 
やっとのことで、一カ月遅れにまで漕ぎつけました。よかったよかった。(のか??)
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