ある日とつぜん、着物に目覚めたものの──、さてどうすれば? 迷いながら訊ねながら学びながらの着物日々記録。
*** 着迷いごと ***
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ようやく月見月(八月)のはなし、その3
2009年 09月 15日 (火) 09:59 | 編集
はやくも九月中旬にさしかかってしまいました。
遅くなりましたが、月見月の話もようやく終盤とあいなりました。

【 60回目 】
mi さんと、「昭和のくらし博物館」へ。あいにくと、開館時間には間に合わず、
当初の目的であった上映会にのぞみます。
その名も、「家事の記録」。
博物館の館長、小泉氏のご母堂・すずさんをモデルとして撮影された、
昭和の手仕事の数々を記録映画として残されたものです。
今回は「着物をほどく」、「洗い張り」、「布団を縫う」、「おはぎ作り」、「お盆」の
記録が公開されました。

まずは、ぽつぽつと言葉をこぼしつつ、着物をほどいていく様子に笑みを
誘われつつ、ほどいた折の、手元の感触を思い出しておりました。

また、板に張る洗い張りから、伸子(しんし)と呼ばれる竹串で張って伸ばしていく
伸子張りの様子を目にするにつけ、一枚の着物の洗い張りだけで一日がかり、
それも晴れた日を狙っての作業ですから、幾日かかったことかと、
ため息が出そうになりました。しかも、さっぱりと洗いあがったあとには、
ふたたび着物の形へと縫い合わせる手仕事も控えているわけで──。

幸田文氏の随筆でしたか、あるいはお嬢さんの青木玉さんの文中でしたか。
洗い張りの様子が描かれた一文があったと、記憶しています。
文氏が、たすき姿で張り切って、ぱたんぱたんと音高く張り板を返しては干し、
干しては返すので、父の幸田露伴氏が騒がしくて品がない、といったことを
苦々しげに呟く様子が描かれていたように思います。
そんな風に、勢いをつけて「やるぞ」の心もちが必要になる仕事で
あることよと、映像を観ながら感じました。

マンション暮らしの長いわたしは、母から洗い張りや布団縫いの話を
聞いたことはあっても、じっさいに目にしたことはありません。
対して、長野出身の mi さんにとっては、洗い張りは身近な家事
だったとのこと。それが記録として映像に残されていることへの感慨が
大きいご様子でした。
そう、「ついこの間」まで、こうした手仕事は身の回りにふつうにあった
ものなのですが、記憶の中では「昔」のことになりつつあって……。

一日~数日仕事となる家事の様子を観ながら、便利になったいま、
いかに時間にゆとりができたかを思い知ります。と同時に、では、せっかくの
時間を有効に活かせているのか、と省みて、おもわず身を縮めました。

丁寧に日々を積み重ねたいと、あらためて思えた上映会でした。

鑑賞会のあと、女同士、ふらりと中目黒に出て、よさげな店に入ったのでしたが、
すずさんの時代であれば、こんなこともめったにない「ハレ」の贅沢で
あったろうと想像します。
コツコツ働く「ケ」の日、贅沢な「ハレ」の日、ふたつを明確に棲み分けするのも
また、日常の過ごしかた・楽しみかただろうなと思いつつ。
好きなときに美味とサービスを受けられる「いま」に生きていることが、いつも以上に
ありがたく身に沁みた宵でありました。
この日は、昨年、mi さんとご一緒の折に選んだ絞りの浴衣の初おろし。
なかなかまとう機会がなかったので、あえて、この日に着て出ました。
shouwanokajikannshounoyoru1 来年は、花火大会にいけると嬉しいなあ。

【 61回目 】
先月に引き続き、のシアターコクーン。演目は『怪談 牡丹灯篭』。
原作は、明治時代の噺家・初代 三遊亭園朝作の創作落語です。
歌舞伎での人気演目ともなっている作品ですが、今回は、文学座の故・
杉村春子のために書き下ろされた戯曲をもとに演じられるとのこと。
演出家・いのうえひでのり氏がどう料理してくれるのか、との期待も
高まります。
人気の若手俳優・瑛太くんの初舞台としても話題だったようですが、
なんと申しましても、「夢の遊眠社」時代からの演劇ファンといたしましては、
へっへっへ、嬉し懐かしのキャスティング。
段田さんと蘭ちゃん、松澤一之さんも出るとあっちゃあ、見逃せませんぜ。

胸膨らませ、わくわくと臨んだ舞台は、期待たがわず楽しめました。
段田さんも蘭ちゃんも、なんて楽しそうに演じていることか。松澤さん、
いつもよりちょっと引き算加減の芝居、そして、もともと上手いとは思っていたけど、
秋山菜津子さん、光ってたなあ。などなどなど。
演出も、大仰すぎず、けれど最大限に空間を活かしながら、いのうえさん
らしく笑いが散りばめられていて、肌なじみよく仕上がっていました。

うーん、思い出すうちに「おまえさん!」と叫びたくなってきた……。(謎)

じつに楽しかったのですが、体調はこのあたりから一気に坂を下り始めて
おりまして。それでもこれを見逃さなかった自分は褒めてやりたい、
ということにしておきますです。
botanndourounoyoru1botanndourounoyoru2 「牡丹灯篭」に乾杯!

これにて、月見月は仕舞です。ようやく、長月へ……。
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