ある日とつぜん、着物に目覚めたものの──、さてどうすれば? 迷いながら訊ねながら学びながらの着物日々記録。
*** 着迷いごと ***
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やわらかな鋭角
2010年 06月 08日 (火) 17:42 | 編集
これもまた、先月の話。
mさんと久々のデエトの舞台となったのは、国立新美術館でした。
建物に入ったことはあっても、観覧のために訪れたのはその日が初めて。
機会があっても体調がすぐれなかったり、タイミングが合わなかったりと、
ご縁がない美術館になっていたのでした。

当日は、雨。

なんとなく、やっぱりご縁が薄い美術館なのかしらん、などと思いながら
行ってみましたら──。
懸念はあざやかに反転して、心の中に光が点るような嬉しい数時間になったのです。
それは、ルーシー・リーのおかげでした。

名前だけ知っていて、いくつか、作品の写真も見たことはあって。
じぶんの中のわずかなデータを下敷きに、都会的なセンスの陶芸家? といった、
曖昧な印象をもって出かけた「ルーシー・リー」展でしたが、いやはや。
みごとに「百聞は一見に如かず」でありました。
誘ってくださったm さんに、感謝。

ルーシー・リーが経た陶芸家としての道のりは、現在の国立新美術館のサイトにても
詳しく、述べられています。

その中では、彼女の作品をおおきく3つの時期に分けて説明されています。
初期~形成期~円熟期。
それにともなって、会場の展示構成も成されており、順に見ていく
面白さもあります。

興味ぶかいことに、どの時期にも通底して、「洗練された素朴さ」が感じられました。
そしてまた、ことに円熟期以降の、「やわらかな鋭角」と呼びたいフォルムには
魅了されました。
──どちらも矛盾した言葉の組み合わせに見えましょうが、そう言わずにいられない
世界が、彼女の作品から伝わってきたのです。

もう一点、目を瞠らされたことがあります。
80歳を過ぎて創られた作品にも、たくまざる初々しさ、瑞々しさが充ちていること。
見ていて、おもわず微笑みかけたり、手を差し伸べたりしたくなるようなものたちの、
なんと多かったことか。
もし、この器ひとつが、家のテーブルに載っていたとしたら。
すべての生活を見直し、器にあった暮らしかたをしたくなるにちがいない──。
そう思った作品もありました。

こんな風に、すっかり展示に耽溺したのはもちろんですが、さらに嬉しかったのが
映像コーナーでした。
80歳を過ぎたルーシーを訪ねた、BBCのドキュメンタリー映像が流れていたのですが、
彼女のひととなりまで伝わってくる内容で、mさんと肩を並べて熱心に見入りました。

ルーシーと親交を深めた三宅一生氏が、ロンドンに立ち寄るたびに彼女の家を
訪れた、と聞きますが、作品はもちろんのこと、彼女の人柄にどのように
元気づけられたのだろうと、想像せずにはいられません。

残念ながら、三宅氏が企画ディレクターを、安藤忠雄氏が会場構成をつとめた
「U-Tsu-Wa」展(2009)は見逃してしまいました。
でも、ルーシー・リーに焦点をしぼった今回の展覧会で、はじめて彼女に
出逢えたことは、わたしにとっては幸せな巡りあわせだったのかも……。
そのように思えます。

今月21日まで開催されているルーシー・リー展。
せめてもう一度、足を運びたいと願っています。
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ご存知の方が多いでしょうが、建物内はなんだか宇宙的な空間です。
240501.jpg
240502.jpg展覧会を堪能したあと、二階に浮かぶティーサロンにて、
mさんとお茶を。エクレアをいただきつつ、余韻に浸りました。

雨でしたが、着物。ただ、写真を撮り忘れてしまいました。たしか、ルーシー・リー展に
雰囲気を合わせて、この組み合わせにしたように思います。
24050b.jpg
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