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ある日とつぜん、着物に目覚めたものの──、さてどうすれば? 迷いながら訊ねながら学びながらの着物日々記録。
*** 着迷いごと ***
二度目の京都きもの旅 二日目(その3/膳處漢~一保堂~祗園界隈)
2008年 06月 18日 (水) 11:49 | 編集
膳處漢(ぜぜかん)は、やはり町家を改修して開かれた、北京料理店。もともと走りもと
であったらしいところを、心地よい吹き抜けのロビー風に設えて、内装に
工夫を凝らした洒落たお店でした。

ここでわたしは、思いもかけぬ選択ミスを。ランチメニューに並んでいたのは
いずれもひじょうに美味しそうな名前と説明だったのですが、お腹の空き具合と
肉を食べたい気分だったことから、「牛肉」と「涼麺」の字面に惹かれて
注文したのでした。が、届いた皿は、見るからに辛そうな顔をしています。
karaimenn
それでも美味しそう、と口にしたとたん、小鼻のあたりにぽつぽつと汗が
吹き出してきました。
半端じゃなく辛い。そもそも、強い辛味は不得手なワタクシ。あまりに辛そうな
様子に、まずYちゃんが「とりかえましょうか」と申し出てくれました。
いくらなんでも申し訳ないと、もうしばらく頑張ってみることに。
でも、汗は止まらず、舌が耐え難いほど痺れていきます。──ギブアップ。
けっきょく、Aさんのお弁当と途中で交換してもらってしまいました。
……ごめんなさい……。けれどメニュウには「辛い」なんて一言も書いては
いなかったと思います。(たぶん)
店の雰囲気は申し分なかったし、いつか、リベンジしたいことです。

そんなランチを済ませたあとは、「一保堂茶舗」へ。店内もお茶処も、行列のできる
人気の高さ。
ようやく入れた茶室では、四人全員が異なるお茶を選びました。それに対して、
ひとつひとつ、お茶の淹れかたを店員さんが教えてくださるという丁寧さ。
minadukikashi 和菓子〝水無月〟、もちもちした食感が最高。
isshinnfurannni 一心不乱に〝水無月〟に集中するわたし。
ただ、ここを訪れるのは心に余裕のあるときがベストかと──、なにしろもろもろ、
待ち時間がかかるのでした。
ippodousannmae Yちゃんと、一保堂前で。

続いてめざすは三条~祗園界隈。じつは、八坂神社の筋向いにある「いづ重」がYちゃん
お薦めの美味しさとのこと、そこで夕食をとる心づもりでいたのです。
で、その前に、これはわたしがぜひ行きたかった「中村ちんぎれ店 珍裂や(ちんぎれや)」さん
や、アンティーク着物業界では名の通った「今昔西村」さんなどに立ち寄る心づもり。
「中村ちんぎれ店」さんでは、皆がお土産を選ぶこともできて何よりでした。
(お店のサイトはりませんが、こちらに、詳細がわかる説明が掲載されています)

「今昔西村」さんでは、質の高い帯や着物はもとよりのこと、心惹かれる
筒描き(つつがき)の獅子に出逢いました。……もしも万一ご縁があれば、きっと待っていて
ほしい。こっそり心で念じてみました。でもたぶん、売れてしまうだろうなあ。

そうやって楽しく店を冷やかしつつ、三条から祗園へ下って、「永楽屋 細辻伊兵衛商店
さんや、同店の系列店「RAAK」を覗いて、ここでもまた、四人それぞれに欲しいものを
手に入れます。
わたしはここの「舞妓シリーズ復刻版」の手ぬぐいがどうにもツボでして。
さっそく昭和6年に作られたという〝おきばりやす!〟やら〝よーすべりますなあ〟やらを
大人買いしたのでした。(〝おきばりやす!〟を前掛けにしているところ↓)
   okibariyasumaekake 舞妓さん、一所懸命、漕艇ちう。※

てな感じで楽しんで、「いづ重」さんに辿りついたのは18:00過ぎでしたか。
すると、な、なんと、店じまいをなさるところではありませんか!
「シャリが終わっちゃったんだよねえ」
申し訳なさそうなお店の方──、いえいえ、それは仕方ありませぬ。明日また、お昼に
立ち寄りましょうか。そんなことを言いあいながら、来た路を戻ります。と、今度は
Mさんが「このあたりに安くておいしいお店があるらしいのよ」とおっしゃいます。
おお! 本日は、ランチといい夕食といい、仲間の知恵の出し合いが光ります。
行った先は、「いづ重」から歩くことほんの二、三分の小路にある「山口大亭東店
(やまぐちだいていひがしてん)」でした。
言うなれば、いかにも場末(すみませんっ(汗)、あくまで立地の印象です)の居酒屋さん、
的佇まい。Aさんの小紋で入って大丈夫かなと、ちょっぴり心配だったのですが、本人も
OKとのこと、お腹が空いていたこともあって、思い切って暖簾をくぐりました。

正直、場違いな着物姿の四人組だったと思いますが、ご主人も女将さんも動じる
ことなく迎えてくれます。とりあえず一階のカウンターに座ったところ、女将さんが
「二階、もう支払い終わったでしょ? じゃ、ここでも少し待っててくれる?」
と采配してくださって、二階の座敷席が空くまで待たせていただけることに。
待つこと十分弱で、ぶじ、二階へ通していただきました。
Yちゃんとわたしは昨日に引き続き、ビール大瓶のシェア。他のふたりは
ソフトドリンク、そして、次から次へとおいしそうな品をオーダーしました。
〆には、「トロロ納豆丼」。う、うまかった……!
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腹十一分くらいいただいたところで、伝票をお願いします。……見間違いかと
思いました。4人で7000円代。ひとりあたま、2000円代だったのです。
今回の旅、食費はなんとお安くあがっていることか。(笑)

ほてった顔で表に出ると、Mさんからさらに素敵な言葉が洩れました。
「よかったら正尚堂さんに行きたいんだけど……」
おお、Mさん! それはもう、渡りに船のご提案(ん?)。
昨日、正尚堂さんには確認済みでした。夜は22:00まで開けておられるということを。
さっそく四人して、タクシーを拾います。さあ、ふたたび向かうは茶山です。

                                       (つづく)
※漕艇:
 調べてみると、昭和六年(1931)の前年、NHKがラジオで初のボートレースを
 中継したもよう。そんなことと関係があるのでしょうか──、などと想像するのもまた
 をかし。

着物旅 | - | - |
二度目の京都きもの旅 二日目(その2/京絞り 寺田~だいやす~ランチ)
2008年 06月 17日 (火) 11:47 | 編集
さて、「長江家住宅」さん筋向いの町家は、今は「京絞り 寺田」の店舗として
受け継がれています。〝楽町楽家〟のイベントに合わせて「京町家で
楽しむ北欧の椅子」展が開催されていました。さらにそこに、「京絞り 寺田」の
当主・寺田豊さんたちによる絞りの反物が、あわやかにも心に残る彩を添えていました。
kyousiboriteradanite 入口から続く「走り」にかけられた反物が、
風を孕んで涼やかです。(Aさん撮影)

二階にあがると、北欧の椅子・いす・イス。
わたしはもっぱら、寺田さんの反物に吸い寄せられてしまいましたが、
Yちゃんは椅子に造詣が深い様子で、担当者の方と熱心に話を
交わしはじめました。
その間、こちらは寺田さんに、絞りの工夫、さらに今いる町家のこと、
来月に迫る祇園祭の話などを伺います。
この家のまん前の路には、鉾を設置するための礎石が埋め込まれ、
その上に堂々たる船鉾が据えられるとのこと。
また、その折は今立っている二階をまさにぶち抜いて、裏手の倉庫から
引き出された船鉾への出入りを行うのだと伺って、唖然としました。
あれは家の二階から出入りするものだったのか……。

祇園祭自体、写真や映像でしか目にしたことがありません。
うだるような熱気の中、いちどはちゃんとライブで見たいと、今さらながら思います。
寺田さんには「〝曳き初め〟(試し曳き)が人出もなくて見やすいですよ」と
教えていただきましたが、来年あたり、狙いますかね?
まずは宿と足を確保しなくては。

さて、続いて向かうは、昨年にひき続き目標店のひとつである「だいやす」さんです。
去年の着物旅では、Mさんとともに久米島を破格値で掘り出したお店です。(笑)
今年狙うは宮古上布。すでに東京の灯屋2さんの「古上布と夏帯」展でさんざ
目を肥やしたワタクシ、こころもちには余裕をもって(?)の来店でした。
(↑「古上布と夏帯」展については、後日また)

「こんにちはー」と入っていくと、だいやすさんの皆さまが気持ちよく迎えて
くださいます。さっそく二階へ。
Mさんとワタクシは、上布の山にダイヴ、こそいたしませぬが、目も心も躍ります。
しっかりじっくり拝見する間、若手二人は、近所の風呂敷屋さんを訪ねることに。
別行動にて、それぞれたっぷり楽しみました。
ことにわたしは、Mさんのご相伴にあずかって(笑)、だいやすさんが奥に積んで
おられた古上布を一緒に拝見できて、それはそれは目の保養をさせて
いただきました。ありがとうございます! 眼福だー。

Mさんのお気持ちがだいたい決まりかける頃、わたしはといえば、虫喰いありの
ため格安となった麻の反物を前に、専務さんとお店の方と三人で、あれやこれやと
話し合い。通りかかった社長さんのアドバイスも得て、九寸で仕立てることと
相成りました。ふふふふふ~。昨年手に入れた小千谷縮たちにばっちり合わせて
楽しめそうです♪
ちなみに、来年の目標はですね(をい)、「だいやす」さんオリジナルの科布(しなふ)帯。
渋い色合いがなんとも魅力的ですが、お値段もちょいと、今回は予算外。
待っててくださひねー、科布さん。

そんなこんなで、別行動でそちらも風呂敷オーダーを済ませて満足げな
AさんYちゃんコンビと落ち合い、さ、こんどはランチです!
目当ての店に向けて、てくてくてくてく歩いていくと、心惹かれる招き猫に
出会いました。猫好き仲間でもあるMさんとともに、思わず記念撮影を。
manekibitotachimanekineko よく来たにゃ!
さらに歩く着物姿のおんなたち──。
usirosugata01usirosugata02
 どんどん歩く!

やがて、「そろそろこのあたりで……」と切れこんだ小路の一角で、思いがけず
Aさんが声をあげました。
「あっ! ここ、ここです、去年来て美味しかったお店!」
をを、と色めき立つ残りの3名。
佇まいも風情があるその店の名は「膳處漢(ぜぜかん)」↓。
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偶然この店の前を通りかかったのもご縁です。ランチは急遽、こちらで
いただくことになりました。食べるぞー、おー!!!
勢いこんで入ったこの店で、わたしはちょいとした汗をかくことに……。

                                   (つづく)
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二度目の京都きもの旅 二日目(その1/長江家住宅~)
2008年 06月 16日 (月) 11:59 | 編集
さてさて二日目の朝。
午前中からMさん合流予定で、すがすがしく目覚めました。本日
あずきや」さんの朝食は和食(日替わりなのです)。例によってごはんを
お代わりして腹を満たし、時間に合わせてタクシーを呼んでおいて、
いざ準備。
わたしは、ははは、さっそく昨日「正尚堂」さんでいただいたばかりの夏大島を
まとってみました。本当は、下に着るための、ほどよい長さの襦袢を持ってきて
いなかったのですが、すみませぬ、麻のうそつきに麻の裾よけという組み合わせで……。
透けて見える裾がちょいと寸足らずで、お目汚しな点が多うござりましたが、
そこはお許しいただいて、と。

他のふたりは、今回が初のきもの旅ですゆえ、朝から着付けて出かけるのに
ほどよい緊張の面持ち。そのうえ、タクシーが5分ほど早く着いてしまったので
「え?」なことに。さっさと着てしまっていたわたしが(雑でしたが(苦笑))、
運転手さんのもとに走って猶予を願います。
ふたりとも、学校に通っているだけあって、丁寧に着付けて、ぴかぴかきもの美人
の出来上がり! かなり年上のワタクシ、置屋のおかみさんの気持ちが
ちょいとばかりワカル気がしました。若い子達の華やぎに目を細めつつ、
「ほれほれあんたたち、行きますよ」と引率、当の本人はちょいと乱雑な髪型や
着方だったりして──。

今回の自分の着付けに関しては、また別項目で、考えたこと、反省して直した
ことなぞ、書いてまいろうと存じますー。

おっと、話を戻しましょう。
本日タクシーを呼んでおいたのは、予約時間があったから。個人的取材の
意味合いもあって申し訳なかったのですが、「長江家住宅(ながえけじゅうたく)」に
10:00に予約を入れてあったのです。
長江家住宅は、京都市指定文化財。今回見せていただくのは、明治40年(1907)に
建てられた主屋南棟、離れ座敷、大正4年(1915)に新築された浴室などです。
写真撮影は禁じられているとのこと、リーフレットの写真を少々、こちらに転載させて
いただきます。
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迎えてくださったのは、穏やかなご主人でした。着物姿の3人に目を瞠るようにして、
「……東京からですか?」と確認されます。今回のきもの旅の主旨(?)を伝えると、
「それはええですなあ」と、眼差しが心なしか、さらに和らいでみえたような。
入館料600円をお渡しして、さっそく、建物の歴史と、町家(まちや)の現況について、
流れるような解説が始まります。
「この格子は糸屋格子言うてね、ほら、ここに二本格子が入って、上にはあかりとりの
隙間がありますやろ。この格子の形で、その家が何の商売か、わかるように
なっとったんです」
「この家は奥まで50メートルありまして、今もそんな規模のある町家は見られません」
「ここの内装に使われているのは栂の木でしてな、当時は士農工商でいちばん
下の我々には、ヒノキを使うなんて贅沢は許されませんでした。でもこれは丈夫な
木ぃでして……」等々、詳細にして興味深い解説を聴かせてくださるのです。

3人でかわるがわる、お聞きしたいことを合間に質問で挿し挟むと、さらにまた、
詳しいお答えが戻ってきて、町家の構造の工夫や奥深さにいっそう興味が募ります。

控えの間から、店舗を訪れた客の様子が覗ける襖の工夫、奥の間の障子に
工夫されていること、さらに浴室に秘められた商家の心意気(使われている素材
や造りを見るとわかります)、欄間の話、唐紙の話、庭の話に屋根の工夫──等々、
挙げていてはキリがありませぬ。
楽しかったのは「猫間障子(ねこましょうじ)」です。換気のためという説もある
そうですが、ご主人は「猫の出入りのため」と教えてくださいました。(笑)
(詳細知りたい方は、ネットなどで検索ください)

実際に訪れて、いろいろ伺うのがいちばん楽しいことかと思われます。
たっぷりとお話を伺っている最中に、携帯電話が鳴りました。Mさんです!
いま、長江家住宅の前に立っておられるとのこと。さっそく訳を話して、彼女も
迎え入れていただき、またあらためて、さまざまな説明をお聞きしました。
こんどは蔵の扉もちょっと開けて見せていただいたりしながら、この住宅が持つ
生活の知恵──、それがしかも美しい見映えにつながっているという素晴らしさを、
あらためて住まいの形で実感したのでした。
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長江家住宅前に佇む美女3名。
写す側のわたしが、にやついちゃいましたよ。(おかみというより、おやぢだ……)
左から、Aさんは母上が選んでくださったという色柄綺麗な小紋+赤系の無地紬単帯。
Yちゃんはお姉さまのお下がりというカワユスな久米島絣と純白博多帯。
Mさんは白地に幾何学模様の単紬に、織帯。わたしの大好きな組み合わせです。
それぞれに個性にぴったりの、見て楽しいコーディネートです。(後でも少しアップも
出てくるかと)

見学を終えるころ、ご主人が筋向いの町家を指して、「今日はあそこも
楽町楽家〟で中を開放している」と教えてくださいました。さらには
「ほな、ちょっと行きますか」とお連れくださり、そちらの係の方に
引き合わせてくださったのです。なんとお礼を申せばよいのか……。

というわけで引き続き、こんどは家のすぐ裏手に船鉾(ふねぼこ)の倉庫が
建つ町家にお邪魔しました。
                                     (つづく)
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二度目の京都きもの旅 一日目(その3 /恵文社~きた村~あずきや)
2008年 06月 14日 (土) 18:06 | 編集
さて、正尚堂さんを出た足で、そのまま茶山駅に参ります。叡山電鉄で、
隣駅の一乗寺に行きたかったのです。
んが。ホームには改札なしに上れるうえに、券売機が見当たりません。
ちょうどホームで子どもさんと遊んでいた女性に、乗り方をお聞きしてみました。
「電車がきたら乗ってね、整理券をとってください。下りる時にそれと一緒に
運賃を払うんですわ」
をを、そういう仕組みでしたか。
「バスみたい」というYちゃんの言葉に頷いていると、すぐに一両編成の
四角い車両がやって来ました。──ほんとに、バスに似てる。
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ぶじに隣の駅で下りられました。なんだか和みます。
下りてさっそく向かうのは、ネットでしか行ったことのない、大好きな書店。
恵文社一乗寺店」です。
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おお、ここが。好みの佇まいに、胸高鳴らせて扉を開きます。
うわー。いきなり好みの本が並んでる。
書籍のみならず、雑貨から衣類まで、幅広くセンスのよい品々が置かれた店内を
回遊すること、小一時間。近所に住んでいたら毎日来たい。でもって、1回に三時間は
滞在したい──。うっとりとあれやこれやを覗いたり触ったり立ち読んだり。
この店の近くに住んでいる本好きさんが羨ましいと、心底思ったのでした。

だんだんと迫る夕餉の時間を気にしつつ、恵文社さんを後にしました。続いて
ぽくぽく歩いた先は、和菓子屋「一乗寺中谷」さん。こちらの「中谷パフェ」の写真を
雑誌で見たときから、どうにかして食べたいと思っていたのでした。
残念ながら、店には辿りついたものの、時間的に中でいただく余裕はありません。
Yちゃんがお土産用にと名物〝でっち羊かん〟を購入する間、わたしの目はひとつの
お菓子に釘付けになっていました。
その名も「とろけるざるわらび」。
ざるに盛られた葛餅を、たっぷりの生クリームでおおった志向。見た目は
ふうわり、メレンゲケーキのようにも見えまする。
いったいどんな味なんだろう……?
生菓子なので、賞味期限は本日中。となれば、この一品を本日のデザートに
すればよろし! と、勝手に思い定めて、ひとつ持ち帰りといたしました。

さて、近くの白川通りでタクシーを拾って、本日の夕餉の場所へと向かうことに。
車中でメールを受け取り、いよいよAさんが京都に着いたことがわかりました。
とちゅう、鴨川沿いを走ると、ずらりと並んだ「床(ゆか)」で、早くも盛り上がり
はじめるひとの姿が目に入ります。真夏には暑そうですが、いまくらいの時期には
気持ちよさそうです。(ちなみに「川床(かわどこ)」というのは、貴船のほうの
床を指すのだとか……、呼び名もいろいろなのですね)

本日予約を入れた店は、うっふっふ、またもスタジオクゥさんの「キモノは別腹
記事にそそられて、「もち料理きた村」さん、なのでありました。
米好き、モチ好きのあっしには、堪えられないラインナップを揃えたきた村さん。
先着していたAさんと再会を喜び合い、いざ、食事です。Aさんはソフトドリンク、
Yちゃんとわたしはビールの大瓶をシェアして、乾杯!
これはもう外せないでしょ、の「おもちゃ箱」から、夕食は始まりました。
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ああ、どのお味も満足で。
つづけて、鶏さん。「鶏ですから、千鳥の小皿を」と並べてくださるのが、愛らしくもあり、
シュールでもあり。そして、必須メニュウの「たらこもち」。
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これは想像以上の美味しさでした。
思わず、どのようにして作っておられるのかお尋ねすると、卵黄を溶いてお酒とみりんでのばして
おられる、とのこと。ぐるなびの記事内には「薄皮を除いたたらこに、卵黄、みりんを加えて
のばし適当な大きさにちぎったつきたての餅の上に掛け、あらいねぎと海苔を天盛りする。」
と記載があります。うひひ、これはぜひ試してみなくては。
この段階で、だいたい腹七分~七分五厘くらいだったでしょうか。迷ったのですが、
メニュウに料金の記載がなかったこともあって、なんとはなしに「これであとはごはんもの
でいいか」ということになりました。そこで、いきなり「しのぎめし」へ。
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ちょいと贅沢な、焼きおにぎり茶漬けです。食べ終えた丼は、スタジオクゥさんに倣って、
写真を撮らずにいられません。いやいや、ご馳走さまでした!
sinogimeshichuu AさんYちゃん、しのぎめし中☆

飲み物もとってはいたのですが、上記メニュウでひとり4000円ほどでした。
だったらもっと頼めばよかった、と思うわたしは貧乏性。はは。

食事のとちゅう、嬉しいメールが届きます。
体調を崩したMさん、病院で治療後、どうやら快復して、明日朝から合流できそうとのこと。
やったー! いっきに心がかるくなります。さ、じゃ、宿でおいしいデザートをいただきませふ♪

今度は3人でタクシーに乗り込み、向かう先は蹴上です。
じつは今回、「布屋」さんは残念ながら予約がうまく折り合わず。ならばと、おなじく町家を
改修して宿にされた、「あずきや」さんを予約してあったのです。
ウェスティン都ホテル京都の筋向いだから、すぐ分かるだろうと思ったものの、すこし
下ってしまって間違えました。夜21:30過ぎ、電話をかけるとすぐに出てくださり、さらには
宿の外に出ていらして、手を振って迎えてくださいました。
宿のご主人、北村さんご自身です。

宿は、布屋さんよりひと回りこぢんまりしていて、内装もまた、英国のアンティークもの
があったりと、雰囲気も異なります。全体に、ご主人・北村チエコさんの視線が
行き届いた、やわらかな感じのお宿です。
チェックイン後、お風呂の使い方を教わってから、町家特有の急な階段を上って
二階へ。想像より広い印象の和室を前に、ちいさく歓声が洩れました。
おなじ部屋に布団を敷いて休むのは、なんとはなしに修学旅行を思い出します。
さっそく荷解きをしたり、二泊以上の宿泊客に提供される、素敵な寝間着に
着替えたり、本日の戦利品を見せ合ったり……、いやはや、かしましくも楽しい夜に。

そして写真を撮りそびれましたが、前述の和菓子屋「一乗寺中谷」さんの
「とろけるざるわらび」。
おいしうござりました~!!! キッチンからお借りしたスプーンでもって、3人、
争うようにいただいたことです。
ひんやりしたわらびもちと、やや甘めの生クリームとが好相性で、和菓子も
洋菓子も好きなわたしには、堪えられないお味でやんした。
あー。お土産にできないのが切ない……。

シャワーを浴びて部屋に戻ると(お風呂はユニットで、沸かすのはちと
時間がかかりそうなのです)、その道のプロであるAさんが、Yちゃんに
ストレッチや、かんたんな体幹強化の方法を教えているところでした。
即席セッションにわたしも参加して、心地よーく体を伸ばしたところで、
充実の一日目は幕を閉じました。

明日はMさんが復活&合流だ~。ZZZZZ……         (つづく)
着物旅 | - | - |
二度目の京都きもの旅  一日目(その2 ・ 正尚堂さんへ)
2008年 06月 13日 (金) 18:44 | 編集
茶山に電車で行こうと思うと、いくつもの乗り換えがあるうえ、そこそこ電車賃が
かかります。前回もそうでしたが、京都旅行は二人以上であれば、タクシーを
利用するのが一番早くて、けっきょくは安上がりだと感じていたので、今回も
「きもの割引」のあるMKタクシーを利用することに。

「京うちわ 阿以波(あいば)」さんのある中京区柳馬場(やなぎのばんば)六角下ル
の住所を電話で告げると、5分ほどで近くのMKタクシーが来てくれました。
茶山まではおよそ20分弱、きもの割引のおかげで、ひとり600円弱で到着です。
さて、なぜ茶山を訪れたのか? 
それは、「正尚堂(せいしょうどう)」さんに寄るためでした。
スタジオクゥさんのブログ「キモノは別腹」に掲載された記事、さらには地元雑誌
「京都地元案内帖 2008」(リーフ・パブリケーションズ刊)の記事を読んで、これはもう、
今回、必ず立ち寄らねば! と熱く心に決めていたのです。

「こんにちはー、お邪魔しまーす」と声をかけつつ、正尚堂さんの暖簾をくぐります。
下駄を脱いでお店に上がれば、すぐさま、なにやら友だちの家にお邪魔したような
ゆるりとした空気に包まれました。
ほどよく雑然として(すべて売物なのだから恐れ入ります)、のんびりと品物を選べる
雰囲気──、さらにはお茶やアルコオル類までいただけてしまうのです。ちょうど
小腹が空いてきたので、さっそくYちゃんは煎茶のセット(お菓子付)、わたしは
珈琲と手作りチョコレートケーキを頼みました。
sennchasettedukurichokocake 
↑セットのお菓子が美味しそうだった……。  ↑驚きのボリューム。味も申し分なし。

食べ物を前にすると、ただただ満面の笑みが浮かんできます。
seishoudou01
いきなりまったりと寛ぎつつ、正尚堂のご主人・佐野さんに「キモノは別腹」や雑誌を見て
伺ったことを伝えます。気さくでほがらかな佐野さん、すぐに話が弾みはじめました。
さらに、さらに。Yちゃんとわたしが着ている着物を見て、ひと目でだいたいの趣味を
把握したらしい佐野さん(さすが)が、わたしに向かってさりげなくおっしゃったものです。
「夏大島、入ってますよ」
おお、そうですか。でも、知る限り、夏大島は高級贅沢品。手に入るようなものぢゃ
ありません。ですが、せっかくですもの、どのようなものか拝見させていただいて、と。
をを、透け具合が涼しそう。
「あのう、羽織らせていただいても……?」
「もちろん!」
にこやかに頷く佐野さんに安心して、そっと羽織らせていただきました。かるい。涼しい。
サイズもぴったり。
「いいですねえ」
「でしょ? 掘り出しもんだよー」
「わはははは」
だからといって、手が出るようなものじゃないですよー。思いながら値札を確認して、
手がとまりました。思考も止まりました。
ええっと、ええっと。ゼロが4つ。でもって、頭の数字ときたら、アヒルさん、に
見えますが……?!
「あのう。これ、まちがってるんじゃ……?(ゼロ1個足りないんぢゃ?? 
もしくは、数字の書きまつがいぢゃ???)」
「入ってきたばっかりでね、それは思い切ったサービス品なの」
「お、思い切りすぎじゃありませんか」
「そういうモノもないとねえ」
……いや。ていうかそれ、儲けを度外視なさっておられ過ぎるのではないでせうか。
手にした着物からは、大島紬特有の泥のにおいが、かすかに立ちのぼってきます。
なつおおしま。考えたこともなかった選択肢が、涼やかな顔でわたしの目前に
立っているのでした。
「これを手に入れなかったら、紬好きなんて言えませんよね」
思わず口を滑り出る言葉。すでに思考は停止ちう。
ほんとはですね、マイブームである「家庭内おせんちゃんごっこ」の為に、数千円の
やわらかものを手に入れられたら、という目論見があったのですよ。
でもそれは、また次回。今は、このびっくりするよな値札が下がった夏大島さんに
こんにちは、なのです。

いっぽうYちゃんは、「もう団扇を買ったから」と、おっとりのんびり、周囲を
見回しています。けれど思いがけず、「その団扇に合わせる浴衣がなくて……」という話が
こぼれてきました。すかさず佐野さんが言葉を挟みます。
「浴衣ってばさ、いいのがあるのよ、有松の」
「有松絞り?」
「そう。最近のはもう、本藍も使えなくて化学染料で、生地も海外ものなんだけどね。
昔のは贅沢に木綿から作って、藍で染めてるの」
「見たいです!」
じゃあ、というので、くったりと着こまれた、さまざまな藍色の浴衣が現れました。
うち一枚を見て、思わず叫んだワタクシ。
「れんこんっ!!!」
「……は?」
怪訝な顔でこちらを見つめる佐野さん、そしてYちゃん。
「──いえ、あの、れんこん好きなもんですから、その柄がどう見てもレンコンに
見えたので」
顔赤らめて言い訳します。そのレンコンさん(違)をはじめ、大きな柄いきのもの、
よろけ縞のように絞られたもの、あるいは大小の絞りが全面に散ったもの、
それぞれが「有松だがね」と挨拶してくれるのでした。よろしくですー。(え?)

Yちゃんが次々と羽織ってみるそばで、ほほほ、あてくしも羽織らせていただきました
ことよ。そりゃあもちろん、レンコンさんを。
そのうち一枚、可憐なYちゃんをはっとするほど引き立たせる浴衣がありました。
その有松は、わたしが羽織らせてもらっても、やはり、顔映りがよく、
ほどよくおとなっぽく、品を湛えた浴衣でした。
「どうしよう……」Yちゃんが呟きます。「うちわ、買っちゃったし」
なにを迷うことがありましょう。
「買いたまえ!」力強く、プッシュしました。
「キミが買わないなら、わたしが買う」(をい)
なにしろ、新品の有松絞りの浴衣は、仕立代込みで50000円以上の値がつくのが
一般的です。それがまた、「おおっ」な値札を下げて目の前で微笑んでいるのです。
ここで逃したら、二度と出会えませんて! おとと、失礼、唾、飛びました。
「ホントに似合ってますか……?」
おずおずと尋ねるYちゃんの言葉に、深々と頷く佐野さんとわたし。
いや実際、わたしがダンナだったら惚れ直すと思うー。佐野さんが携帯で撮って
くださった証拠写真がこちら↓。 隣でレンコンさんにうっとり、のアテクシ↓。
karennnayukatasugatarennkonn

他にも、目に入るものほぼすべてが売り物なのですから、正直、お店に
居続けようと思えば、ずうっといられるやも知れません。
簪も、珊瑚や翡翠の愛らしいものが、これまた「いいんですかい?」なお値段で
並んでいるし……。
でもでも、今日はまだこれから、夕餉までに行っておきたい場所がある。泣く泣く、
いったん失礼することにしました。なんなら、明日またお邪魔すればいいしー。(え)

ところでお会計の際に発覚したのですが、夏大島の値札、やっぱり「書きまつがい」が
あったのです! ですよねえ。とはいえ、書きまつがいされておらずとも、破格のお値段
であることに変わりはなく。だというのに、ですよ。書きまつがわれたままで、にっこりと
頂戴してしまったキチクのようなわたしを、平に平にお許しくださいっっ。
じ、次回はしっかりめっきり(?)、準備をして参りますゆえ~~!!!

そうそう、レンコン好きなわたしに、佐野さんが「れんこんやさんがあるよ」と
教えてくださったのでしたが、しまった、ちゃんとメモしておりませなんだ。今度
詳しく伺わなくては。木屋町の「れんこんや」さんで合ってますかね??

ああそれにしても。すでに初日の夕方にして、なにやらお腹いっぱい、着物を
味わっている心もちです。

                                      (つづく)
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